豪ドル・円が1カ月ぶり高値、74円台試す 堅調な雇用統計で
・フルタイム就業者数が大幅増
・中国が米中協議進展に言及
17日の外国為替市場でオーストラリアドルが対円で上昇。ほぼ1カ月ぶりに74円台を付けた。オーストラリアの9月の雇用統計が堅調な内容だったことで、目先の利下げ観測が後退。さらに夕方には米中貿易協議の進展を示唆する中国側の発言が伝わり、リスク資産である豪ドルに買いが入った。
豪ドルの対円相場は日本時間の未明から朝方にかけて73円台半ば付近で小刻みに推移。午前9時半に雇用統計が発表になると、73.85円付近まで上値を追う展開となった。
しかし、午後3時頃に英国の欧州連合(EU)離脱の条件について、英ジョンソン政権に閣外協力する北アイルランドの地域政党・民主統一党(DUP)が難色を示したことが伝わると、73円台半ば付近に向けて軟化する場面があった。
夕方、中国商務省の関係者が米中貿易協議の文書を巡り「米国とともに取り組んでいる」と発言したことをきっかけに豪ドルは再度地合いを引き締める展開となり、9月19日以来約1カ月ぶりに74円の節目を上回った。
豪ドルの対米ドル相場もまた、夕方の取引で4営業日ぶりに0.68米ドル台に乗せている。
雇用統計
9月の豪就業者数は前月比1万4700人増となり、予想の1万5000人増とおおむね一致した。フルタイムの就業者数は2万6200人と大幅に増加した。
9月の失業率は5.2%に低下。2月に4.9%に低下した後、8月にかけて5.3%まで上昇していた。市場は前月と同じ5.3%を予想していた。
それでも中銀が目標とする4.5%を依然として上回っている。
先物市場が織り込む11月のオーストラリア準備銀行(中央銀行、RBA)理事会での利下げ確率は27%となった。今週は一時、59%まで上昇していた。
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