ロートが一時1年半ぶり高値、幹細胞用いたコロナ治験開始へ
・21年末までに有効性検証へ
・株価、一時18年12月年以来の高値
24日の東京株式市場でロート製薬<4527>が一時、1年半ぶりの高値を付けた。23日に新型コロナウイルス感染症による肺炎患者を対象とした他家間葉系幹細胞を用いた臨床試験を8月にも開始すると発表。この日も各メディアが報じたことにより、市場であらためて材料視された。
午後2時9分現在、前日比35円(1.01%)高の3485円で推移している。
寄り付き直後に4.35%高の3600円まで買われ、連日で年初来高値を更新した。これは2018年12月上旬以来の高値に相当する。その後、利益確定の売りに押される展開となったが、後場初めに3455円で下げ止まった。
出来高は現時点で77万株超。
ロート製薬によると、治験ではヒトの脂肪から培養した他家脂肪組織由来間葉系幹細胞「ADR-001」を新型コロナ感染症による重症肺炎患者に投与する。
患者の静脈から点滴で週に1回、約1億個の細胞を投与して肺に届ける。計4回投与した後、2カ月間経過を観察するという。
大阪大学医学部付属病院の患者らが対象で、予定症例数は6例。治験の実施期間は20年8月~12月で、今月末に治験届を提出する予定。21年末までに安全性や有効性を検証し、22年以降のできるだけ早期に実用化することを目指す。
新型コロナ感染の重症化には、感染者の免疫細胞がウイルスと戦うために作るサイトカインが制御不能となって放出され続ける「サイトカインストーム」と呼ばれる現象が関わっているとされる。
ロート製薬によると、同社が創製したADR-001は、炎症性サイトカインの産生抑制をインビトロでの研究において確認するなど、感染性の炎症に対する効果を確認している。
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