豪ドル、対米ドルで1カ月ぶり高値 米FRBの資金供給策の発表受け
・FRB、最大2兆3000億ドルの新たな緊急支援発表
・中国3月物価指標、予想よりも低調
10日午後の外国為替市場でオーストラリアドルが米ドルや円などの主要通貨に対し、約1カ月ぶりの高値を付けた。米連邦準備理事会(FRB)が9日、一般企業への融資などに向けて最大2兆3000億ドルの新たな緊急支援を打ち出したことで、米ドル資金の需給逼迫懸念が後退し、米ドルが売られる展開だった。
豪ドルの対米ドル相場は0.63米ドル台前半で始まった。午前中に発表となった3月の中国物価統計が予想よりも低調な内容となったが、影響は限定的だった。午後に一時0.63米ドル台後半まで買われ、3月12日以来約1カ月ぶりの高値を付けた。
豪ドルの対円相場はおおむね68円台後半で推移。対米ドルで上昇した際、一時的に69円を上回り、3月9日以来の高値を付けた。
新型コロナウイルスの感染拡大が続くなか、FRBは空前の規模の緩和を推し進めており、日銀も黒田総裁が必要があればちゅうちょなく追加的な金融緩和措置を講じると述べている。
一方、3月20日に量的緩和(QE)政策を導入したオーストラリア準備銀行(RBA、中銀)の動きは比較的抑制されている。中銀は7日の理事会の後に発表した声明で、QE開始後の国債市場の機能は改善しており、これが続ければ国債の買い入れ規模や頻度を縮小する可能性があると指摘した。
3月の中国物価
日本時間午前10時半に中国国家統計局が発表した3月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比で4.3%上昇。市場予想の同4.8%上昇を下回り、また2月の同5.2%の上昇から上げ幅を縮小した。これは昨年10月以来の低水準に相当する。
CPIは前月比では1.2%低下。昨年6月以来の低下に転じた。
また同時に発表となった3月の生産者物価指数(PPI)は前年同月比で1.5%低下。市場は同1.1%の低下を予想していた。2月は同0.4%の低下だった。
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