金相場、2000ドル到達は21年末へ 目先はディスインフレが重し━TDセキュリティーズ
・20年4~6月期は1650ドルを予想
・中長期的には実質金利低下などを支えに上昇へ
金相場が1トロイオンス=2000ドルの大台に到達するのは2021年末になりそうだ。しばらくは世界各国で進行するディスインフレが相場の上昇を阻む可能性がある。金融大手TDセキュリティーズが予想した。
ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金先物相場は12日、取引の中心である6月限が前日比8.8ドル(0.5%)高の1706.8ドルで取引を終えた。
今年3月に株価が急落するなかで金は換金目的の売りに押され、ニューヨーク金期近は1450.9ドルまで下落。その後、株価が回復すると金も上昇に転じ、4月中旬には1700ドル台後半まで買われた。その後、1700ドルの節目付近でもみ合う動きが続いている。
貴金属情報ウェブサイトKitcoによると、TDは12日付のリサーチノートで、システミックリスクの後退に伴う実質金利の上昇、米連邦準備理事会(FRB)によるマイナス金利採用の拒否とドル高など短期的に金の上昇を遮る要因が複数存在すると指摘した。
とりわけ懸念されるのがディスインフレ圧力。新型コロナウイルスの感染拡大が収束した後も当分の間、世界経済の伸びが潜在成長率を下回ることを各国の経済指標は示唆していると述べた。
一方、中長期的には金は上昇が見込まれるという。実質金利の低下の再開やキャリーコストの低下がその理由という。
さらには、景気てこ入れのための財政出動などで、各国政府が多額の債務を新たに抱えることが見込まれるなか、フィアット通貨(中央銀行が発行した法定通貨)に対する懸念が強まる可能性がある。こうしたことも金の押し上げにつながるとの見方を示した。
TDは今後の金相場について20年4~6月期が1650ドル、7~9月期が1700ドル、10~12月期が1725ドル、21年1~3月期が1775ドル、4~6月期が1825ドル、7~9月期が1900ドル、10~12月期が2000ドルになると予想している。
ニューヨーク金のこれまでの最高値は11年9月6日に付けた1923ドル。
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