金価格は2000ドルも、新型肺炎パンデミック化なら━バンカメ
・セーフ・ヘイブン需要と債券利回り低下が金を支援
・ゴールドマンは1800ドルを予想
コロナウイルスの感染拡大が世界的なパンデミックになった場合、金価格は2000ドルに上昇する可能性があるとの強気シナリオをバンク・オブ・アメリカが示した。
27日のニューヨーク商品取引所(COMEX)の金先物相場は3日続落。取引の中心である4月限は前日比0.6ドル(0.04%)安の1トロイオンス=1642.5ドルで引けた。24日に2013年1月以来、7年1カ月ぶりの高値となる1691.7ドルまで上昇した後の利益確定が続いた。
貴金属専門ウェブサイトKitocoがバンク・オブ・アメリカの27日付のリサーチノートを引用して伝えたところによると、セーフ・ヘイブン(資金の逃避先)としての需要と債券利回りの低下が金価格を引き続き支える見通し。
また、コロナウイルス問題以外にも、継続中の米中貿易戦争の影響よる世界経済の低迷も金の支援材料になると指摘。また、これを受けた各国の中央銀行による金融緩和政策の継続を予想した。
バンク・オブ・アメリカは年末の金価格見通しを1700ドルで維持している。
ゴールドマン、金価格予想引き上げ
一方、ゴールドマン・サックスは26日付のリサーチノートで、コロナウイルスの感染拡大が今年4~6月期まで続いた場合、金は向こう3カ月で1800ドルを超えるとの強気シナリオを明らかにした。
Kitocoによると、ゴールドマンは金価格の上昇要因としてコロナウイルスの感染拡大や低い実質金利、米大統領選を巡る不透明感を挙げている。
円とスイスフランが安全資産として名高いが、金のパフォーマンスはこれらを上回るとゴールドマンは指摘。地政学リスク(目下拡大しているコロナウイルス感染も含まれる)やマイナス利回りからポートフォリオを守るべく、投資家は金に資金を戦略的に投じているとしている。
ゴールドマンは向こう3カ月と6カ月の金価格をそれぞれ1700ドルと1750ドルと予想した。従来は年央までに1600ドルになるとみていた。
金価格の推移 月足 (出所: IG証券)
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