パラジウムにテクニカルな売り 2000ドル維持できず
・20日は5%下落
・南ア電力供給は依然不安定
貴金属パラジウムの価格が安く推移している。ロンドン市場のスポット(随時契約)価格は20日、前日比5%の大幅な下げとなった。17日に1トロイオンス=2000ドルを一時上回る場面があったが、大台を維持できなかったことでテクニカルな売りが出たもよう。週明けのアジア市場でも地合いは弱い。
パラジウムは17日に2000.35ドルまで買われ、過去最高値を更新。年初来の上昇率は50%を超え、金が2011年9月に付けた1920.80ドルをも上回った。
しかしその後、チャート上の節目である2000ドルを維持できず、20日は一時1800ドルを割り込む展開。23日のアジア市場では1840ドル台で推移している。
ガソリン車の排ガス処理触媒に使用されるパラジウムは、中国やインド、欧州などでの排ガス規制強化の動きを受けてかねてから先高感が台頭していた。さらに、最近の南アフリカでの大雨と洪水による発電設備の障害で、主要な鉱山会社に大規模な電力消費制限がかけられたことで供給ひっ迫感が強まった。
南アの国営電力会社エスコムは9日から国内送電網で輪番停電を実施。その後、計画停電を停止したが、21日時点で電力供給は非常に不安定との声明を出している。
南アは世界のパラジウムの約40%を産出する。パラジウムは主にプラチナなどのバイプロダクト(副産物)として生産される。南アが不採算のプラチナ鉱山の閉鎖を進めていたこともあり、停電による操業停止が需給ひっ迫感を一段と強める結果となった。
先物の指標となるニューヨーク商品取引所(COMEX)で取引の中心の20年3月限は、20日の通常取引を前日比91.90ドル(4.8%)安の1808.90ドルで終了。日本時間23日の時間外取引では午後1時48分現在、20日の終値を2.40ドル上回る1811.30ドルで推移している。
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