ブレント原油、今後30年間の平均価格55ドルに BPが予想引き下げ
・コロナ収束後、低炭素経済への移行加速へ
・天然ガス価格予想も下げる
英石油大手BPは15日、2021~2050年の30年間の北海ブレント原油先物の平均予想を1バレル=約55ドルとし、従来の見通しから引き下げた。
新型コロナウイルスの世界的な流行の影響により、低炭素経済と低炭素エネルギーシステムへの移行が加速する可能性があることを理由に挙げた。
BPはグループの2019年年次報告で50年までのブレント先物の予想を約75ドルに設定していた。新たな見通しはこれを27%下回る。
同時にヘンリーハブ・天然ガス先物の50年までの予想を100万Btu(英国熱量単位)=290セントとし、これまでの400セントから引き下げた。
ヘンリーハブは米ルイジアナ州の天然ガス集積地。ここでの取引価格がニューヨーク・マーカンタイル取引所(NYMEX)に上場する天然ガス先物の指標になる。
BPは新型コロナの流行の後、エネルギー需要は継続的に弱まると予想した。原油と天然ガスの相場予想を引き下げた結果、BPは4~6月期に計130億~175億ドルの資産の評価減が生じる見通しという。
ロンドンのインターコンチネンタル・エクスチェンジ(ICE)に上場する北海ブレント原油先物で期近の8月限の15日終値は前日比0.99ドル(2.6%)高の39.72ドル。
NYMEXに上場するWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)先物で期近の7月限は0.86ドル(2.4%)高の37.12ドルで引けた。
天然ガス先物の期近の7月限は6.2セント(3.6%)安の100万Btu=166.9セントで取引を終えている。
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