米シェール生産、20年は2.7%減へ 新型コロナ蔓延前の増加予想から一転━調査
・10~12月期は当初予想から日量200万バレル超減へ
・WTI原油先物、一時18年ぶり安値
原油需要の大幅な減少とそれに伴う価格の急落を背景に、米国のシェールオイル企業が減産に追い込まれている。ノルウェーの調査会社リスタッド・エナジーによると、新型コロナウイルスの感染拡大前は前年比8.1%の増加が予想されていた2020年の米シェールオイル生産は、現在では少なくとも同2.7%の減少が見込まれる。
15日現在のシェールオイル企業のガイダンスに基づきリスタッドがまとめたリポートによると、支出減少に伴う油井の閉鎖により、20年通年の米シェールオイル生産は日量約960万バレルとなり、19年通年実績の同990万バレルから減少する見通し。
リスタッドはより悲観的にみており、20年通年の生産が同950万バレルになると予想。さらにもう一段の減産もあり得ると分析する。
シェール企業のガイダンスによれば、20年10~12月期の米シェールオイル生産の落ち込みは顕著で、新型コロナウイルスの感染拡大前の見込みを同約215万バレル下回る。
従来は19年10~12月期実績の同約1040万バレルから同65万バレルの増加が予想されていた。一方、足元では同150万バレルの減少が見込まれる。
EIAによる予想
米シェールオイル生産については米エネルギー情報局(EIA)が13日、4月の生産が日量約871万バレルとなり、前月からの減少幅が過去最大の日量19万4000バレルになると予想している。
5月のシェールオイル生産も同18万3000バレル減少し、同約853万バレルになるとの見通しを示した。
ニューヨーク・マーカンタイル取引所(NYMEX)に上場するWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)原油先物相場は、新型コロナの感染拡大で需要が一段と落ち込むとの見方から、15日に一時1バレル=19.20ドルの18年ぶりの安値を付けた。
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