金価格は21年は安定推移、銀は14%下落へ 世銀が予想
世界銀行は先ごろ公表した「商品市場見通し」で、2021年の金価格が安定して推移する一方、銀の平均価格は前年比14%下落すると予想した。
世界銀行は先ごろ公表した「商品市場見通し」で、2021年の金価格が安定して推移する一方、銀の平均価格は前年比14%下落すると予想した。
世銀は20年の金の平均価格について、前年比約28%上昇して1トロイオンス=1793ドルになると予想した。
現物価格は8月、過去最高値の2067ドルを付けている。
金はコロナ禍で安全資産として資金が流入。その後も世界の主要中央銀行の金融緩和に支えられて上値を追う展開になったと世銀は説明。金上場投資信託(ETF)の現物保有高も大幅に増加したと指摘した。
宝飾用需要や公的部門による購入は減少したという。
一方、コロナ禍で人の移動に制限がかかるなか、メキシコやペルー、南アフリカなどの鉱山で生産が滞ったことや、リサイクル金の精製がはかどらなかったことで供給に影響が及んだことも価格を押し上げたという。
世界の景気回復が見込まれる21年も金価格は安定的に推移するとの見方を示した。
金銀比価
世銀は20年の銀の平均価格が前年比で約30%上昇し、1トロイオンス=21.2ドルになると見込んでいる。
銀はコロナ禍でのロックダウン(都市封鎖)の実施を受けて急落し、3月に約11年ぶりの安値となる11ドル台まで売られた。その後は経済活動の再開に伴い急伸。8月に約7年半ぶりの高値となる29ドル台を付けている。
銀は工業用需要が全体の需要の約半分を占める。
銀ETFへの資金流入も活発だった。銀ETFが価値の裏付けとして保有する銀現物の残高は8月に過去最大水準まで膨らんだ。
銀価格が金に比べて歴史的な安価であることに着目した取引も価格の押し上げ要因となった。金銀比価は3月に過去最高の125倍まで上昇。9月には75倍まで低下したが、それでも長期平均を上回っている。
ただ、20年の勢いは長続きせず、21年の平均価格は14%下落すると予想した。
本レポートはお客様への情報提供を目的としてのみ作成されたもので、当社の提供する金融商品・サービスその他の取引の勧誘を目的とした ものではありません。本レポートに掲載された内容は当社の見解や予測を示すものでは無く、当社はその正確性、安全性を保証するものではありません。また、掲載された価格、 数値、予測等の内容は予告なしに変更されることがあります。投資商品の選択、その他投資判断の最終決定は、お客様ご自身の判断でなさるようお願いいたしま す。本レポートの記載内容を原因とするお客様の直接あるいは間接的損失および損害については、当社は一切の責任を負うものではありません。 無断で複製、配布等の著作権法上の禁止行為に当たるご使用はご遠慮ください。
リアルタイムレート
- FX
- 株式CFD
- 株価指数CFD
※上記レートは参考レートであり、取引が保証されるものではありません。株式のレートは少なくとも15分遅れとなっております。