金相場、21年にかけて2000ドルに上昇へ━TDセキュリティーズ
・目先の目標は1800ドル
・金を支えるマクロ要因が揃う
金相場が急落する前の水準に戻している。こうしたなか、TDセキュリティーズは金が目先、1トロイオンス=1800ドルまで上昇し、さらに金を支えるマクロ要因が揃う年末から来年にかけて2000ドルへと上値を伸ばすとの見方を示した。
ニューヨーク商品取引所(COMEX)で取引の中心である4月限は26日、前日比17.8ドル(1.09%)高の1651.2ドルで取引を終えた。
新型コロナウイルスの感染拡大によるリセッション(景気後退)への懸念から株式相場が今月急落すると、金は換金目的の売りに押されて一時15%近く水準を下げた。4月限は今月9日、中心限月として約7年3カ月ぶりの高値となる1704.3ドルを付けたが、その5営業日後に約4カ月ぶりの安値となる1450.9ドルを付けている。
しかし、米連邦準備理事会(FRB)が国債などの購入額を無制限とする措置を23日に発表すると金は反発。さらにトランプ政権の緊急経済対策への期待が高まった25日、4月限は急落前の高値に近い1699.3ドルまで水準を回復した。
貴金属情報ウェブサイトKitcoによると、TDセキュリティーズは26日付のリサーチノートで、ウイルスの感染拡大が収束した後、相場にとって建設的な環境が残ると指摘した。
ドルの持ち高を膨らませる動きが和らいだことで、金相場は約2週間の下落を経て足元で上昇している。TDセキュリティーズは、相場の下落につながった資金調達ストレスが一層和らげば、投資家の金への注目が継続するだろうと予想した。
マクロ要因
その上で、TDセキュリティーズは流動性の正常化やマイナスの実質金利、フィアット・カレンシー(法定通貨)を巡る懸念などを背景に金は目先、1800ドルまで上昇するとTDセキュリティーズは予想。さらに金融緩和策が継続し、財政赤字が増えるなかで世界経済が正常な状態に回帰する年末から来年にかけて2000ドルへと上昇するのは十分にあり得ることだとの見方を示した。
新型コロナによる経済危機が収束し、健康問題に一段落付けば、経済活動が順調に拡大する基盤が生じる。マイナス金利は長期間、日常のものとなり、これにより金を比較的安価に保有することが可能になる。さらに主要7カ国(G7)は経済対策を賄うために多額の債務を新たに抱える。こうしたなか、金は2000ドルへの道が開かれているという。
ごく短期間においては、弱いマクロ指標の発表により、金相場は乱高下する可能性があるという。ただ、前述のマクロ要因、ウイルス感染拡大がもたらした鉱山の稼働停止による年産約600万オンスの生産喪失、出荷の停滞といった問題により、売り浴びせがあっても一過性のものになるだろうと予想した。
NY金のこれまでの最高値は11年9月6日に付けた1923ドル。
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