原油価格見通し、21年はブレント54ドル・WTI49ドル シティが引き下げ
シティは21年のブレント原油とWTI原油の平均価格見通しをそれぞれ1バレル=54ドルと49ドルとし、いずれも従来見通しから引き下げた。予想を上回るペースでの新型コロナの感染拡大を理由に挙げた。
シティは2021年の北海ブレント原油とWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)原油の平均価格見通しをそれぞれ1バレル=54ドルと49ドルとし、いずれも従来見通しから5ドル引き下げた。予想を上回るペースでの新型コロナウイルスの感染拡大を理由に挙げた。
ただ、石油輸出国機構(OPEC)とロシアなど主要産油国で構成される「OPECプラス」が供給の抑制を継続することで、価格は21年に緩やかに上昇すると見込んでいる。シティの9日付のリポートをロイターが伝えた
OPECプラスの現行の減産目標は日量770万バレル。予定では21年1月に減産規模を同200万バレル縮小する。
シティはこれについて、価格が40ドル前後で推移していることから、OPECプラスは1月に減産規模を縮小するよりは、現行の水準を維持する可能性が高いとみているとした。
シティは20年の原油需要が日量890万バレル減少すると予想。一方、21年は同700万バレル以上増加するとみている。
9日はリスク選好で原油が急伸
9日の原油先物相場は大幅に上昇した。米製薬大手ファイザー<PFE>が同日、開発中の新型コロナウイルス向けワクチンの治験で有効性が90%を超えたとの暫定結果を発表し、ワクチンの早期普及観測から市場がリスク選好を強めた。
インターコンチネンタル取引所(ICE)に上場する北海ブレント原油先物で取引の中心である1月限は9日、前週末比2.95ドル(7.48%)高の42.40ドルで終了した。
ニューヨーク・マーカンタイル取引所(NYMEX)に上場するWTIで期近の12月限は3.15ドル(8.48%)高の40.29ドルで取引を終えた。
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