パラジウム、新型コロナによる2月以降の下げから70%戻す 南ア鉱山が閉鎖
・ジンバブエ鉱山も閉鎖
・中国の自動車生産再開は低調
貴金属パラジウムの価格が反発している。これまでに2月の高値からの下げの70%を回復した。南アフリカやジンバブエで外出禁止措置により鉱山が閉鎖され、供給懸念が浮上したことが背景にある。
先物の指標となるニューヨーク商品取引所(COMEX)で取引の中心の2020年6月限は3月31日の通常取引で続伸し、前日比107.20ドル(4.88%)高の1トロイオンス=2304.80ドルで終えた。一時、2368.00ドルまで買われた。
パラジウムは2月27日に過去最高値となる2789.80ドルを付けたが、その後、新型コロナウイルスの感染拡大による需要減少見通しを背景に急落。3月16日に1355.10ドルで下げ止まった。この間の下落率は51%に及ぶ。
しかし、3月下旬に南アで4月16日までの3週間の外出禁止令が出され、鉱山が閉鎖されると、今度は供給懸念を背景に急速に反発。昨日の高値は2月27日以降の下げから70%戻した水準に相当する。
隣国のジンバブエでも3月31日からロックダウン(都市封鎖)が始まり、鉱山も閉鎖されたとみられている。ジンバブエは、プラチナの埋蔵が世界で2番目に多いことで知られる。パラジウムはプラチナの副産物。
中国国家統計局が3月31日発表した2020年3月の製造業購買担当者景気指数(PMI)が「拡大」「縮小」の節目となる50を3カ月ぶりに上回ったこともムードを明るくした。
もっとも、中国で製造業の多くの生産再開が伝えられる一方、需要が低迷する自動車産業の再開率は4割程度とみられている。こうしたことで、パラジウムのこれより先、上値が重くなる展開も想定される。
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