豪ドル・円が約2週間ぶり高値、豪がロックダウン早期解除も
・5月14日のロックダウン効果の検証待たずに部分解除も
・中国工業企業利益が急減も豪ドルへの影響限定的
オーストラリアのモリソン首相がロックダウン(都市封鎖)の早期解除を示唆したことが伝えられるなか、27日の外国為替市場でオーストラリアドルが円や米ドルなどの主要通貨に対し、一時約2週間ぶりの高値を付けた。日銀が正午過ぎに国債購入の制限を撤廃するなど追加緩和を決定したと発表したが、事前の観測とほぼ同様の内容であり、相場への影響は限定的だった。
豪ドルの対円相場は、今月中旬から抵抗線になっていった69円の節目を上抜き、69円台前半まで上昇。14日以来の高値を付けた。東京株式市場での株高も円の下げに寄与した。
豪ドルの対米ドル相場は0.64米ドル台半ばまで上昇。3月12日以来となる1カ月半ぶりの高値を付けた。
27日付の豪紙フィナンシャル・レビューが前日のモリソン首相の発言として伝えたところによると、5月14日に内閣が行う予定のロックダウン効果の検証を待たずに、首相は経済活動を部分的に再開させる可能性がある。
同国は3月18日に非常事態宣言を行い、同月23日に連邦と州政府が娯楽施設などの営業を停止する措置を講じた。レストランの営業は持ち帰りの食品のみに限定している。
クイーンズランド州などは首相の発言に呼応する形で、26日にソーシャルディスタンス(社会的距離)の部分緩和に踏み切った。
モリソン氏は、今後3週間以内に効果を検証するが、医学的証拠が得られれば、それよりも早期に経済活動を再開させる可能性があると語った。
中国工業企業利益
中国国家統計局が午前に発表した3月の工業部門企業利益は、前年同月比34.9%減となった。1~2月は前年同期比38.3%減だった。
新型コロナウイルス感染拡大による中国経済への打撃が続いたことを示す内容だったが、豪ドル相場への影響は限られた。
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