メキシコペソ、対円で2カ月ぶり高値 原油回復で
・ペソ、一時4.7円台
・WTI原油が2カ月ぶり高値
メキシコペソが主要通貨に対して4月の安値から回復している。原油相場が需給の改善により回復していることが背景にある。21日にペソは対円で約2カ月ぶりの高値を付けた。
ペソは日本時間21日深夜に4.7円台前半に浮上。3月27日以来の高値を付けた。その後、4.7円の節目を挟み小刻みの動きが続いている。
ペソは原油急落前の2月に一時、6円を超える水準で取引された。しかし、3月に様相が一変し、対円では4月6日に4.2円台前半まで下げ、過去最安値を更新した。
原油安を受けてメキシコ石油公社(ペメックス)、さらには国の信用が相次いで格下げされた4月、ペソは低迷を余儀なくされ、5月前半も安値圏にとどまった。
ペソの対ドル相場は21日、22ペソ台後半まで上昇。3月16日以来の高値を付けた。
対ドルでは2月中旬に18ペソ台前半の年初来高値を付けていたが、3月下旬に25ペソ台前半まで売られて過去最安値を付けた。
メキシコは歳入の約20%を石油関連の収入に依存しており、石油は同国の基幹産業。ペソは原油相場に強く影響される。
ペメックス
原油相場は回復が続く。世界で経済活動が再開していることや産油国の協調減産で需給が改善している。
ニューヨーク・マーカンタイル取引所(NYMEX)に上昇するWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)先物で期近の7月限は21日、中心限月として3月中旬以来約2カ月ぶりの高値を付けた。
メキシコ原油バスケット価格は20日時点で1バレル=27ドル台に回復。4月20日に一時、マイナスで取引された。
格付け会社フィッチの推定によると、ペメックスが操業費用をカバーするにはメキシコ原油バスケット価格が25ドル超である必要がある。足元の価格はこの水準をかろうじて上回る。
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