テスラ株に最大35％の上昇余地、好決算を評価─調査

米電気自動車（EV）メーカー、テスラ<TSLA>が21日発表した2020年7～9月期決算に対し、アナリストは総じて高い評価を与えており、一部は足元の株価に対して最大35％の上昇余地を見込んでいる。

7～9月期は最終利益が前年同期比2.3倍の3億3100万ドルとなり、5四半期連続で黒字を維持した。売上高は39％増の87億7100万ドルだった。

テスラは他の自動車メーカーに温暖化ガス排出枠（クレジット）を売却している。4～6月期はクレジットの売却収入を計上することで最終黒字を確保したが、7～9月期はEVの収入のみでほぼトントンの最終損益を実現した。

22日の米株式市場でテスラは前日比3.15ドル（0.75％）高の425.79ドルで終えた。9月1日に上場来高値となる502.49ドルを付けている。

ゴールドマン・サックスはテスラの目標株価を450ドルから455ドルに引き上げた。ゴールドマンはリポートで、弱気派はクレジットの売却が利益面で大きな貢献をしたと指摘するかもしれないが、クレジットを除いた自動車の粗利益率は堅調であり、潜在的利益を如実に物語ると述べた。

一方、ゴールドマンはテスラの投資判断を「ホールド（中立）」で継続。足元の株価は少なくとも長期的な見通しである1000万台の販売台数と10％台半ばから後半のEBITマージンをすでに織り込んでいると分析した。

ゴールドマンは今月5日にテスラの目標株価を295ドルから400ドルに、また13日に400ドルから450ドルに引き上げていた。

JMPセキュリティーズは目標株価を516ドルに設定。7～9月期決算発表の前に目標は示していなかった。投資判断は「マーケットパフォーム（中立）」から「アウトパフォーム（買い）」に引き上げている。

オッペンハイマーは目標株価を451ドルから486ドルに引き上げ、投資判断を「アウトパフォーム（買い）」とした。

目標据え置きも

パイパー・サンドラーはテスラの目標株価を515ドル、投資判断を「オーバーウェート（買い）」でいずれも据え置いている。

パイパーはリポートで、テスラの財務状況は決算発表のたびに改善していると指摘。営業利益率は2ケタに向かって拡大しており、バランスシート上のリスクは大幅に軽減されているとした。実際のところ、現在140億ドルを超える現金の蓄えをいかに速く、かつ効率的に用いるかがテスラの主要な課題の1つだとの見方を示した。また、フリーキャッシュフロー（純現金収支）は一貫してプラスを維持していると述べている。

ニュー・ストリート・リサーチは目標株価を578ドルで継続した。これは主要調査会社としては最も高い水準で、22日終値を35％超上回る。投資判断は「買い」を継続した。

ウェドブッシュ・セキュリティーズは目標株価を500ドル、投資判断を「ホールド（中立）」で据え置いた。

一方、バークレイズは目標株価を125ドル、投資判断を「売り」で継続した。

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