豪ドル・円が3週間ぶり安値 10月中国鉱工業生産が予想下回る
・73円台まで下押される
・10月豪雇用者数、予想に反して減少
14日午前の外国為替市場でオーストラリアドルが主要通貨に対して下落。この日発表のオーストラリアと中国の経済指標が弱い内容になったことで豪ドルの売りが優勢となった。豪ドルは対円で3週間ぶり、対米ドルで4週間ぶりの安値を付けている。
日本時間午前11時に中国国家統計局が発表した10月の鉱工業生産は前年比4.7%増と、9月の5.8%増から減速。予想の5.4%増も下回った。
同時に発表となった小売売上高も前年比7.2%増と、9月の7.8%増からペースが鈍化した。予想は7.9%増だった。
1~10月の固定資産投資は前年比5.2%増加した。予想は5.4%増だった。
これより前、同午前9時半に発表となった10月の豪雇用統計が弱い内容となり、オーストラリア準備銀行(中央銀行、RBA)による追加利下げ観測が市場で再燃。豪ドルの対円相場はそれまでの74.40円付近から急落した。
いったん74円の節目付近で下げ止まったが、その後中国の経済指標の発表後に再び売り圧力に押される展開に。午後早い時点で73.90円を割り込んでいる。これは10月24日以来の安値に相当する。
豪ドルの対米ドル相場は朝方、0.6840米ドル付近で推移していたが、2つの指標の発表を受け、0.68米ドルの節目を下回った。この水準を割ったのは10月17日以来初めて。
豪雇用統計
オーストラリア連邦統計局が発表した10月の雇用統計は、雇用者数が前月比1万9000人減。市場予想は1万5000人増だった。
フルタイム雇用者数は1万300人減、またパートタイム雇用者数も8700人減となった。労働参加率は66%。予想は66.1%だった。
失業率は5.3%に上昇。予想の5.2%を上回った。失業率の直近の底は2月の4.9%で、中銀が目標とする4.5%からさらに上方にかい離した。
利下げ観測
オーストラリア10年国債利回りは雇用統計発表後、1.186%まで低下。5日以来の低い水準を付けた。
こうしたなか、豪銀大手ナショナル・オーストラリア銀行(NAB)は13日、中銀の次回の利下げ時期の見通しを12月から来年2月に後ろ倒しにし、ウェストパックなど同国の他の大手行もNABと同様の見方を表明している。
中銀は6月以降、政策金利のオフィシャルキャッシュレートを3度引き下げた。現行の金利は過去最低の0.75%。
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