メキシコペソが続伸、4.7円台半ば リスク選好強まる
・対ドルでも2カ月ぶり高値
・5月上期のメキシコCPI、予想上回る
25日の外国為替市場でメキシコペソが円やドルなど主要通貨に対して続伸。世界各国で進む経済活動の再開や新型コロナウイルス向けワクチン開発への期待を背景に市場のリスク選好が高まるなか、リスク資産とされる新興国通貨のメキシコペソが買われた。原油相場が堅調に推移していることもペソを支えている。
ペソの対円相場は日本時間25日午前に4.7円台半ばまで上昇し、3月27日以来の高値を付けた。その後も高値圏でもみ合う展開となっている。
ペソは原油相場が急落する前の2月に一時、6円を超える水準で取引された。しかし、3月に様相が一変し、4月6日に4.2円台前半まで下げ、過去最安値を更新した。
ペソの対ドル相場は25日、22ペソ台後半まで上昇。3月中旬以来の高値を付けた。
対ドルでは2月中旬に一時18ペソ台前半まで上昇したが、3月下旬に25ペソ台前半まで売られて過去最安値を付けた。
25日のアジア時間の原油相場は堅調に推移。ニューヨーク・マーカンタイル取引所(NYMEX)に上昇するWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)先物で期近の7月限は、日本時間午後1時56分現在、22日の通常取引終値を0.28ドル(0.84%)上回る1バレル=33.53ドルで推移している。原油もまたリスク資産に分類される。
経済活動の再開に伴い、原油は需給が改善するとの見方が多い。
メキシコ原油バスケット価格は22日時点で1バレル=27.30ドル。格付け会社フィッチの推定によると、メキシコ石油公社(ペメックス)が操業費用をカバーするにはメキシコ原油バスケット価格が25ドル超である必要がある。足元の価格はこの水準をかろうじて上回る。
同バスケット価格は4月20日にマイナスで取引される場面があった。
メキシコは歳入の約20%を石油関連の収入に依存する。
CPI
メキシコ国立統計地理情報院(INEGI)は22日、5月上期の消費者物価指数(CPI)上昇率を発表。それによると、4月下期比で0.30%上昇した。
前年同期比では2.83%の上昇だった。メキシコ中銀の3%のインフレターゲットは下回るが、市場予想の2.45%を上回った。トマトなどの一部の野菜や果物、ビールなどが物価を押し上げた。
エネルギーと農産品を除いたコア指数はそれぞれ0.24%と3.76%。
コロナウイルスの感染拡大で景気が冷え込むなか、メキシコ中央銀行は今月14日に金融政策決定会合を開き、政策金利を0.5%引き下げ5.5%とした。市場は追加利下げを見込むが、インフレが一層進めば中銀は利下げに動きにくくなる。
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