トヨタの4～6月期決算、通期純利益予想の開示の有無に注目

トヨタ自動車<7203>が6日に2020年4～6月期決算を発表する。新型コロナウイルスの感染拡大による打撃から鮮明な回復を遂げつつあるトヨタについて、期初に未定とした21年3月期通期の純利益予想の開示があるかを市場は注目している。

経常利益の市場予想、前年比99％減

トヨタの4～6月期連結経常利益の市場予想は44億円。前年同期実績の8417億5000万円から99.5％の大幅減少が見込まれる。

トヨタは5月、21年3月期の連結営業利益が前期比79.5％減の5000億円になりそうだとした一方、最終損益予想は未定とした。売上高見通しは19.8％減の24兆円としている。為替の前提レートは1ドル=105円。

今期業績は20年末から21年初めに新型コロナの販売への影響が落ち着くとの前提に基づくもの。

販売回復、中国で顕著

トヨタグループ（ダイハツ工業、日野自動車含む）の世界販売台数は4月に前年同月比45.3％減と大幅に減少した。しかし5月は34.1％減とマイナス幅が縮小。6月は16.9％減と顕著な回復をみせた。

一足先に景気が回復した中国で販売が好調。3カ月連続で前年水準を超えた。欧州でも主要国を中心に5月以降、販売が回復している。国内は緊急事態宣言の終了に伴い、6月から回復傾向にある。

この結果、4～6月の世界販売台数は前年同期比31％減となった。販売回復ペースは同社が5月に示した当初想定を上回る。

世界生産台数は工場の稼働停止により5月は54.4％減と前年の半分以下に落ち込んだが、6月は欧米で生産が前年水準まで回復したことで24.3％減まで戻した。

20年1～6月ではトヨタグループの世界販売台数は前年同期比21.6％減の416万4487台。独フォルクスワーゲン（VW）が発表した販売台数は27.4％減の389万3100台で、同期間でトヨタが6年ぶりに世界トップに立った。

株価の推移

20年3月期通期の営業利益見通しを上方修正した2月6日にトヨタ株は8026円まで買われ、年初来高値を更新。しかし、コロナの影響の深刻化が懸念された3月13日に5771円の年初来安値を付けた。

その後幾度が反発を試みたがいずれも7000円付近で上値が重くなった。7月31日終値は6217円。