サンバイオが4カ月ぶり高値 再生細胞薬が米で優先審査対象に
・FDAが外傷性脳損傷治療薬として
・日米で早期承認の可能性
20日前場の東京株式市場でマザーズ上場の創薬会社サンバイオ<4592>が大幅に反発している。一時、値幅制限の上限(ストップ高)まで買われた。慢性期外傷性脳損傷(TBI)を対象に日本と米国で開発している再生細胞薬「SB623」が米国食品医薬品局(FDA)から優先審査と迅速承認の対象品目に指定されたと発表したことが材料になっている。
午前10時11分現在、590円(16.67%)高の4130円で推移している。一時、ストップ高水準となる700円(19.77%)高の4240円まで上昇。5月13日以来約4カ月ぶりの高値を付けた。
同社の19日付のリリースによると、SB623はFDAにより臨床試験において一定の効果を示した治療法を対象として指定される「再生医療先端治療(RMAT)」の対象品目に選ばれた。RMATの指定を受けた企業は、指定品目に関する優先審査と迅速承認の対象になる。
日本でも優先審査対象
SB623は4月に日本で厚生労働省から審査期間短縮の対象となる「先駆け審査指定制度」の対象品目の指定を受けており、日米で早期承認される可能性が高まった。
日本ではこの治療薬を20年1月期(19年2月~20年1月)末までに承認申請し、21年1月までに承認取得して発売することを目指している。
SB623のTBIプログラムにおけるグローバル臨床第3相試験については、20年1月期末までの開始を計画している。
これとは別に、サンバイオはSB623の慢性期脳梗塞を対象とした臨床第2b相試験も実施している。
株価の変遷
サンバイオの昨年11月からの急伸は、TBIを対象とした日米グローバル臨床第2相試験で主要評価項目を達成したと発表したことがきっかけだった。1月21日、1万2730円の上場来高値を付けている。
しかし、SB623の慢性期脳梗塞を対象とした米国での臨床第2b相試験で主要評価項目を達成できなかったとの解析速報を1月29日の取引終了後に発表して急落。2月5日に2401円まで下げ、年初来安値を付けた。
厚労省による先駆け審査指定制度の対象品目の指定を受けたことをきっかけに4月19日に4780円まで戻したが、その後は材料に乏しく、低迷が続いていた。
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