メキシコペソが下落、5円台維持できず
・対ドルでは21ペソ台後半に軟化
・原油相場の停滞もペソの重しに
11日の外国為替市場でメキシコペソが対円で下落している。円が今週に入り、ドルなど主要通貨に対して上昇していることが背景にある。ペソは先週、5円の心理的節目を回復したが、今週前半にこの水準を再び割り込んだ。
日本時間正午過ぎのメキシコペソの対円相場は4.8円台。
ペソは2日、約2カ月半ぶりに5円台に乗せ、一時5.1円台まで買われた。円の対ドル相場が110円手前まで下げたことや、原油相場の上昇がペソ高を支えた。
しかし円が今週、上昇基調に転じるなか、ペソは9日に5円を割り込んだ。原油相場の上値が重くなったこともまた、ペソにとってマイナスに働いている。
ペソは原油相場が急落する前の2月に一時、6円を超える水準で取引されていた。しかし、3月に様相が一変。4月6日に4.2円台前半まで下げ、過去最安値を更新した。
ペソの対ドル相場は8日に21ペソ台半ばまで買われ、3月中旬以来の高値を付けた。しかし、その後21ペソ台後半に軟化。もっとも、ドルが主要通貨に対して地合いを緩めているため、ペソの対ドルでの下げは、対円に比べて限定的となっている。
ペソは2月中旬まで18ペソ台で推移していたが、その後急速に値を崩し、3月下旬に25ペソ台の過去最安値を付けた。
原油相場
原油相場は4月下旬の安値から短期間に水準を大きく切り上げたが、ここ数日は上値が重い。
ニューヨーク・マーカンタイル取引所(NYMEX)に上場するWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)先物で期近の7月限は、正午過ぎの時間外取引で1バレル=38ドル台で推移している。
WTI7月限は7日夜の時間外取引で40.44ドルと、中心限月として3月6日以来約3カ月ぶりの高値を付けていた。
ゴールドマン・サックスは9日付のリサーチノートで原油相場の15~20%の下方修正を予想。足元の価格がファンダメンタルズからかい離しているとの見方を理由に挙げた。
メキシコ原油バスケット価格は5日に同34.77ドルまで上昇。約3カ月ぶりの高値を付けた。これ以降は高値付近でもみ合う展開が続いている。
メキシコは歳入の約20%を石油関連の収入に依存しており、原油相場はメキシコペソの動向に大きな影響を与える。
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