豪ドル・円が6週間ぶり高値 米中協議進展に期待感
・対円で8月1日以来の高値
・人民元高も豪ドル上昇に寄与
12日午後の外国為替市場でオーストラリアドルが円や米ドルなどの主要通貨に対し続伸した。トランプ米大統領が11日、2500億ドル(約27兆円)分の中国製品に対する制裁関税の拡大を10月1日から15日に先送りすると発表したことが好感された。
豪ドルの対円相場は11日午後以降、74円の節目を挟んで一進一退となっていたが、この日は朝方からしっかりと推移。昼すぎに74円台半ば付近まで上昇し、8月1日以来6週間ぶりの高値を付けた。
また、豪ドルの対米ドル相場は0.68米ドル台後半で堅調に推移。7月31日以来の高値を連日で更新した。
米国は10月1日に税率を現在の25%から30%に引き上げる予定だった。同日に建国70周年を迎える中国の劉鶴副首相から関税引き上げの延期を要請され、トランプ氏は善意の意思を示したという。
これに先立ち、中国は11日に一部米国製品の報復関税の対象からの除外を決めており、トランプ氏は「大きな動きだ」と評価した。
米中両国は9月に予定されていたワシントンでの閣僚級の貿易協議を10月上旬に行うことで合意しており、9月半ばにワシントンで次官級協議を行う予定だ。
関税を巡り双方が譲歩したことで、交渉進展への期待感が広がり、アジア市場で株式や原油などのリスク資産が買われた。資源国通貨の豪ドルもリスク資産に分類される。
人民元
米国による対中関税拡大の先送りの報道で中国の人民元が米ドルで上昇したことも豪ドルを支援した。
中国本土で取引されるオンショアの人民元相場はこの日、対米ドルで8月23日以来の高値を付けた。今月4日、11年ぶりの安値となる7.1844元を付けていた。
AUD/JPY 日足チャート (出所: IG証券)
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