豪ドルが72円台半ば、3カ月ぶり高値 米中貿易にトランプ氏言及せず
・株高が円の上値抑制
・5月財新中国製造業PMIは50台回復
1日午前の外国為替市場でオーストラリアドルが対円で72円台半ばまで買われ、約3カ月ぶりの高値を付けた。中国への締め付けを強めるトランプ米大統領が5月29日の記者会見で、米中貿易合意の撤回や対中追加関税に言及しなかったことが豪ドルの買い材料になっている。
豪ドルは対円で前週半ばから抵抗線となっていた72円の節目を上抜いた。72円台半ばは2月27日以来の高値水準。
豪ドルの対米ドル相場は0.67米ドルの節目を上抜き、0.67米ドル台前半まで水準を引き上げた。2月13日以来の高値に相当する。
リスクオンで株価が上昇し、円の上値を抑制した。日経平均株価は約3カ月ぶりに2万2000円台に乗せている。前述のトランプ氏の発言に加え、東京都が緩和行程を3段階で示すロードマップの「ステップ2」に移行し、商業施設などへの休業要請を解除したことが市場に好感されている。
財務省が1日発表した1~3月期の法人企業統計で、金融業・保険業を除く全産業の設備投資が前年同期比4.3%増となったことも株高につながった。市場は減少を予想していた。
ダウEミニ先物は朝方、前週末比マイナス圏で推移していたが、その後プラス圏に転換した。
財新中国製造業PMI
日本時間午前10時45分発表の5月の財新中国製造業購買担当者景気指数(PMI)は50.7となり、前月の49.4から上昇した。市場予想の49.6も上回った。
景況感の改善と悪化の分かれ目である50を上回ったことが好感された一方、相場への影響は限定的だった。
米中関係
トランプ氏はホワイトハウスでの会見で、中国が香港への統制を強化する「香港国家安全法」の導入を決定したことへの対抗措置として、香港に認めている優遇措置の廃止に向けた手続きに入ると発表した。
一方、2月に発効した第1段階の米中貿易合意の扱いには触れなかった。
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