豪ドル・円、72円台前半 4カ月半ぶり安値
・豪ドル、米ドルで11年ぶり安値を更新
・10~12月期の豪設備投資減少
27日午前の外国為替市場でオーストラリアドルの対円相場が72円台前半まで下げ、2019年10月以来4カ月半ぶりの安値を付けた。対米ドルでの下げに追随した格好。対米ドルでは09年3月以来約11年ぶりとなる安値を再び更新した。新型コロナウイルスの感染拡大による世界経済への打撃やオーストラリア準備銀行(RBA、中央銀行)による追加利下げ観測が引き続き豪ドルの重しとなっている。
豪ドルの対円相場は日本時間27日未明、それまで持ちこたえていた72.50円の支持線を下回った。
午前9時にニュージーランドの大手銀行が発表した同国の企業信頼感指数が前月比で低下し、ニュージーランドドルの対円相場が下げると、豪ドルもこれに追随して売られ、一時72.20円を割り込んだ。
豪ドルの対米ドル相場は朝方に0.65米ドル台前半まで下落した。
この日発表となった19年10~12月期のオーストラリアの新規民間設備投資は昨年の中国の景気減速による打撃を表す内容だった。
午前9時半にオーストラリア連邦統計局が発表した同期の設備投資は市場予想に反し、前期比で2.8%減少。7~9月期の0.2%減から減少幅が拡大した。市場はプラス0.4%を予想していた。
豪利下げ観測
先週発表となった1月の失業率が予想を超えて上昇したことで、中銀による追加利下げに対する観測が再燃。失業率の発表後、銀行最大コモンウェルス銀行は中銀が4月に0.25%の追加利下げに踏み切るとの見方を示した。
金利先物市場が織り込む次回3月3日の中銀の理事会での0.25%の利下げ確率は現在11%。25日の9%から上昇している。
中銀は今月4日の今年最初の理事会で、政策金利のオフィシャルキャッシュレートを過去最低の0.75%に据え置いた。
オーストラリアの3年債利回りは0.58%台まで低下した。2月中旬に中国での新型肺炎が落ち着きを見せたと伝えられた際には、中銀の政策金利を上回る場面もあった。
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