豪ドル急落、72円台 米国の対中制裁第4弾発表で円買い
・6月豪小売売上高は予想上回る
・豪10年物国債利回りが最低更新
2日午前の外国為替市場でオーストラリアドルが対円で72.70円付近まで下落した。トランプ米大統領がほぼすべての中国製品に関税を課す「対中制裁第4弾」を9月に発動すると発表したことで、夜間に円が対米ドルで大きく買われた。
さらに、日本政府が午前10時過ぎに韓国の「ホワイト国」からの除外を閣議決定したことで円は一段高となり、これが豪ドルの対円相場にも影響を与えた。
ただ、その後発表となった6月の豪小売売上高が予想を上回り、豪ドルは一時、73円ちょうど付近まで買い戻された。
豪ドルは対米ドルでは、米国の新たな対中制裁が豪経済に与える影響が懸念され、早朝に一時0.68米ドルの節目を割り込んだ。その後もこの水準を試す動きが続いたが、小売売上高の発表後は対円と同様に買い戻された。
この日の豪ドルの安値は対円、対米ドルともに年初のフラッシュクラッシュ以来の7カ月ぶりの安値に相当する。
「ホワイト国」除外
トランプ氏は米国時間1日、ツイッターに「対中協議は3カ月前にディールしかけたが、中国は再交渉を決定した。巨額の農産品を購入すると約束したが、それも実行しない」と投稿した。対中制裁第4弾の発動日は9月1日。制裁対象は約3000億ドル分で関税率は10%。
一方、日本政府は2日、安全保障上の輸出管理で優遇措置を与えるホワイト国から韓国を除外する政令改正を閣議決定した。政令公布の21日後に施行され、今月28日に除外される。日本がホワイト国の指定を取り消すのは韓国が初となる。
日本はすでに半導体材料の韓国向けの輸出管理を厳格化している。
豪小売売上高
豪連邦統計局が日本時間午前10時半に発表した6月の小売売上高は前月比0.4%増となり、市場予想の0.3%増を上回った。5月の小売売上高は前月比0.1%増にとどまっており、0.8%増を記録した2月以降では最大の伸びとなった。
ただ、四半期ベースでみた場合の伸びはそれほど芳しくはなく、4~6月期の小売売上高は0.2%増にとどまった。市場は0.3%増を予想していた。
消費の低迷がもたらす雇用への悪影響の緩和を目的に、豪準備銀行(RBA、中銀)は6月と7月の理事会で2会合連続で利下げを実施した。6月に政策金利を1.50%から1.25%に、さらに7月に1.25%から過去最低の1.00%に引き下げた。
金融市場の年内の追加利下げ見通しを反映し、10年物国債利回りは2日早朝に1.069%まで低下。過去最低水準を再び更新した。
AUD/JPY 5分足チャート (出所: IG証券)
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