豪ドル反発 人民元の基準値発表後に円売られ
・人民元基準値、11年ぶりに1ドル=7元割れ
・ただし、市場予想よりは元高水準
8日午前の外国為替市場でオーストラリアドルが対円で一時72円台を回復した。中国人民銀行(中央銀行)が設定した対米ドルでの人民元取引の基準値が約11年ぶりに節目の7元を下回ったものの、市場で予想されていたほどの元安水準ではなかったことで米ドルが買われ、円が売られた。
人民元取引の基準値発表の直後、米ドルの対円相場は106円ちょうど付近から106.30円付近まで上昇した。
この流れが豪ドルの対円相場にも波及し、豪ドルはそれまでの71.60円付近から72.10円付近まで上昇。前日午前のニュージーランド中銀による大幅利下げの後に失った72円台を回復した。
豪ドルの対米ドル相場も0.6750米ドル台前半から浮上。前日の急落前に付けていた0.6780米ドル付近まで戻した。
人民元基準値
中国人民銀は日本時間午前10時15分、人民元の売買の基準値を対米ドルで1ドル=7.0039元に設定したと発表した。前日比0.0043元の元安・ドル高となる。7元を下回る水準に設定したのは金融危機以前の2008年5月以来となる。
市場ではこの日の人民元取引の基準値について7.01元台を予想する声が多かった。
基準値は元の前日終値にドル、ユーロ、円など複数通貨の「通貨バスケット」に対する元の変動幅などを加味して決定される。本土市場では1日あたり基準値から上下2%の範囲が認められており、8日の基準値に基づく変動幅は1ドル=6.8638~7.1440元となる。
基準値としては6営業日連続の元安。中国当局が緩やかな元安を容認しているとの見方から、本土市場以外で取引されるオフショア人民元は本土よりも元安水準で取引されている。
株式相場も人民元取引の基準値発表を受けて反発。東京株式市場では日経平均株価が上げに転じた。一時、2万682.24円まで水準を切り上げ、上げ幅は前日比で165円を超えた。
AUD/JPY 5分足チャート (出所: IG証券)
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