豪ドルが上昇、73円台後半 リスクオン続く
・米ドル・円、5週間半ぶり高値
・豪ドル、対米ドルでは上値重い
10日午後の外国為替市場でオーストラリアドルが対円で堅調に推移している。午前中に米ドルが対円で上伸した場面で豪ドルも上値を追う展開となり、一時、8月1日以来の高値を付けた。
豪ドルの対円相場は午後中に73.80円台まで上昇。昨日に引き続き約5週間ぶりの高値を付けた。米中貿易協議の進展への期待などで世界の景気減速に対する懸念が後退するなか、米ドル買い・円売りが優勢となり、この流れが豪ドルの対円相場に波及した。
米ドル・円は午前中に一時107.50円まで上昇し、8月2日以来の高値を付けた。
一方、豪ドルの対米ドル相場は上値の重い展開だった。中国経済指標が冴えない内容だったことで、中国景気に敏感な豪ドルが圧迫された。前日に0.68米ドル台後半に上昇した豪ドルは、その後じり安となり、昼前に0.68米ドル台半ば付近まで軟化した。
日本時間午前10時半に中国国家統計局が発表した8月の生産者物価指数(PPI)は前年比0.8%低下した。2016年8月の0.8%低下以来の大幅なマイナスだった。市場予想は0.9%低下。7月は0.3%低下だった。
中国PPIの低下は資源国通貨にとって痛手となる。
NAB企業景況感指数
さらにナショナル・オーストラリア銀行(NAB)が午前10時半に発表した8月の豪企業景況感指数と企業信頼感指数がともに前月に比べ悪化したことも、豪ドルの売り材料になった。
NABのチーフ・エコノミストは、両指数とも長期平均を大きく下回っていると述べ、オーストラリア準備銀行(中央銀行、RBA)の政策金利見通しを11日に見直すと発表した。
NABは現在、中銀が年内にあと1度利下げを行い、金利は0.75%に引き下げられるとみている。
AUD/JPY 日足チャート (出所: IG証券)
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