豪ドル下落、73円台前半 弱い雇用統計で追加利下げ観測
・8月の豪失業率上昇
・フルタイム就業者数が減少
19日午前の外国為替市場でオーストラリアドルが主要通貨に対して下落した。この日発表された8月の同国雇用統計で失業率が前月の水準を上回り、オーストラリア準備銀行(中央銀行、RBA)による追加利下げ観測が台頭した。
豪ドルの対円相場は18日の午後以降、74円の節目を挟んでの小刻みの動きを続けていたが、日本時間午前10時半に雇用統計が発表されるとこの節目を下放れた。今月9日以来の安値となる73円台前半まで売られている。
豪ドルの対米ドル相場も同様の展開。0.68米ドルの節目を割り込み、4日以来約2週間ぶりの安値となる0.67米ドル台後半まで下落した。
オーストラリア連邦統計局が発表した8月の新規雇用者数は前月比3万4700人増加。市場は1万人の増加を予想していた。ただ、これはパートタイム就業者数の増加に負う部分が大きい。
8月はパートタイム就業者数が5万200人増加したのに対し、フルタイム就業者数は前月比1万5500人減少した。7月はフルタイム就業者数は3万4500人増加していた。
8月の失業率は5.3%で市場予想と同水準。7月の5.2%から上昇した。直近の底は2月の4.9%で、中銀が目標とする4.5%からますます上方にかい離した。
利下げ観測
豪10年国債利回りは雇用統計発表後、1.1%付近から1.066%まで低下。9日以来の低い水準を付けた。
中銀は3日の理事会の議事要旨で、必要なら追加利下げを行うとの姿勢を示しており、複数の金融機関が現在、10月の追加利下げを予想している。
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