豪ドル、74円付近まで下落 ビクトリア州で過去最多の新規感染者
・リスク回避で円買いの動き
・対米ドルで0.69前半に下落
10日午後の外国為替市場でオーストラリアドルが対円で下落している。新型コロナウイルスの感染が世界的に拡大するなか、比較的リスクが低いとされる円が選好されている。ロックダウン(都市封鎖)が再び導入されたオーストラリア・ビクトリア州で新たに288人がコロナウイルスに感染していることが確認されたことも豪ドルの売り材料だった。
豪ドルの対円相場は9日のアジアから欧州の時間帯に75円の抵抗線を数回にわたり試したが、結局これを突破できず、74円台後半でこの日のアジアでの取引を始めた。
各国でのコロナ感染の拡大や株安を受け、外為市場では円が終始選好される展開になった。日本時間午前9時半過ぎに日経平均株価が急落した場面で豪ドル・円は74.30円付近まで下落。午後に入り日経平均が一段安になると、74円の支持線の手前までさらに下げた。
豪ドルの対米ドル相場は、6月初めから幾たびか突破を試みてきた0.70米ドルの抵抗線を9日のアジア時間遅くに再び試すも失敗。この日のアジアでは0.69米ドル台後半で始まり、早々に0.69米ドル台前半に水準を切り下げた。
ロックダウン
ビクトリア州は10日、新たに288人がコロナウイルスに感染していると発表。1日の感染者数としては同州で最多となる。
同州はメルボルン都市圏に現地時間8日深夜から6週間の予定で厳格なロックダウン(都市封鎖)を再び導入。同州の財務当局はこの日、失業率は11%まで上昇する見通しと明らかにした。
ビクトリア州の経済規模は豪州全体の4分の1を占める。モルガン・スタンレーは、今回のロックダウンが前回と類似したものになる場合、7~9月期の豪州全体の国内総生産(GDP)が60億豪ドル減少する可能性があるとの見通しを示した。
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