豪ドル底堅い　支持線74円巡る攻防

25日午後の外国為替市場でオーストラリアドルは対円で底堅い動きをみせている。英国の欧州連合（EU）離脱を巡る不透明感が高まるなか、市場のリスクオフ・ムードで上値を抑えられながらも節目の水準を維持している。

豪ドルの対円相場は週前半に74円台後半まで上昇し、約2カ月半ぶりの高値を付ける場面があったが、リスク資産売りで上値を切り下げた。

一方、下値は74円で支持されている。日本時間25日未明以降、幾度か74円を割り込む場面があったが、その都度買い拾われており、午後も74円台前半に踏みとどまっている。

豪ドルの対米ドル相場もまた、上値が重いながらも0.68米ドルの支持線を維持している。米国の追加利下げ観測が豪ドルを支える一因となっているもよう。豪ドルは週前半、約5週間ぶりの高値となる0.68米ドル台後半の水準を付けていた。

米利下げ観測

シカゴ・マーカンタイル取引所（CME）が金利先物から算出する市場の利下げ予想確率であるFEDウォッチによると、10月29、30両日開催の連邦公開市場委員会（FOMC）での0.25％の利下げ確率は93.5％と織り込まれている。

一方、オーストラリア準備銀行（RBA、中銀）は11月の会合で政策金利を据え置くと予想されている。

オーストラリア連邦統計局が発表した9月の雇用統計で失業率が1年ぶりの高水準だった前月の5.3％から5.2％に低下したことが背景にある。豪中銀は6月以降、利下げを3回実施してきた。

英首相、総選挙前倒しを提案

英国のEU離脱を巡り、ジョンソン首相は24日、総選挙を前倒しで実施することを求める動議を28日に議会に提出することを明らかにした。EUが離脱期限の延期を認めれば、12月12日に選挙を行う意向という。

議会下院定数の3分の2が賛成すれば、総選挙の前倒しが可能になる。同氏は9月に2回、総選挙の前倒しを提案したが、いずれも議会で否決されている。

すでに一部の野党は首相の新たな総選挙の前倒し提案に反対しており、先行きは不透明。首相は野党労働党のコービン党首に宛てた書簡で、総選挙への支持を求めた。

AUD/JPY 5分足チャート (出所: IG証券)