NY金が7年4カ月ぶり高値、時間外で 1800ドルに向かうとの見方も
・12年11月下旬以来の高値
・換金売り落ち着く
金相場が続伸している。ニューヨーク金先物相場は日本時間7日の時間外取引で一時、約7年4カ月ぶりの高値を付けた。新型コロナウイルスの感染が拡大するなか、安全資産として魅力を発揮している。今後の金相場の動向について、市場では1トロイオンス=1800ドルに向けて上昇を継続するとの見方がある一方、現行の1700ドル付近で頭を打つとの声もある。
ニューヨーク商品取引所(COMEX)で取引の中心である6月限は一時1742.6ドルまで上昇。中心限月ベースで2012年11月下旬以来の高値を付けた。6日の通常取引終値は前週末比48.2ドル(2.93%)高の1693.9ドル。
6日の米株相場は急反発し、ダウ工業株30種平均は1627.46ドル(7.73%)で取引を終えた。ダウ先物は日本時間7日の時間外取引で堅調に推移している。
3月からの株式相場の急落で損失を出し、追加証拠金を差し出す必要に迫られた投資家による換金売りが金の下落の一因だった。しかし、株価の落ち着きに伴いこうした売りは収束しつつあるもようだ。
上昇継続予想
米連邦準備理事会(FRB)は3月23日、臨時の米連邦公開市場委員会(FOMC)を開き、米国債や住宅ローン担保証券(MBS)の買い入れ量を当面無制限とする緊急措置を決定した。
金融大手ゴールドマン・サックスは同日付のリポートで、金相場の最近の下落について、08年の動きに類似していると指摘。FRBが同年11月に量的緩和の導入を発表すると金は反発した。
その上で、新型コロナウイルスのパンデミックで市場がパニックにある今、安全資産である金を購入すべきだと顧客に推奨。金は変曲点にあり、ゴールドマンによる1年後の目標水準である1800ドルの達成についてますます自信を深めているとした。
慎重な見方も
これに比べ、BNPパリバはより慎重な見方だ。先週発表したリポートで、金相場の今年4~6月期の平均を1675ドルとし、同四半期にピークアウトする可能性が高いとの見方を示した。
今年の金相場の通年平均は1610ドルと予想している。
BNPパリバは、各国中銀の大規模な量的緩和が金相場の下値を支えるとした一方、短期的なドル高や他の資産クラスで損失が発生した際の投資家の換金売りが金の上昇を阻む要因になり得るとした。
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