ネットフリックスの7～9月期、会員数の伸び予想上回るとの見方

米動画配信のネットフリックス<NFLX>が20日に2020年7～9月期決算の発表を予定している。同社は有料会員数の伸びについて控え目な見方を示しているが、新型コロナウイルスの感染拡大がもたらした好調は7～9月期も継続したもようだ。

ネットフリックスが公表した7～9月期の会員の純増数予想は250万人。1～3月期が1580万人、4～6月期が1010万人だったことを考慮すれば、いかにも慎重だ。コロナ禍でのブームはそれほど長くは続かないと踏んでいるため。4～6月期の好業績の発表後に株価が下落したのは、同時に明らかにした7～9月期の予想のためだった。

実際のところ、7～9月期も年度上期の好調が続いたもようだ。金融機関の楽観的な分析が相次いでおり、株価は7月13日に付けた上場来高値の575.37ドルに迫っている。

ゴールドマン・サックスは14日付のリポートで、7～9月期の会員数の伸びを約600万人と予想。コンテンツの増加や競争の欠如、消費者の自宅で過ごす時間の増加などを理由に挙げた。

その上で、コロナ危機はテレビや劇場、ライブイベントといった従来のコンテンツ消費からストリーミングサービスへの移行を加速させているとの見方を示した。

ゴールドマンはネットフリックスの投資判断を「買い」で再確認し、目標株価を600ドルから主要金融機関では最も高い670ドルに引き上げた。

先週はJPモルガンがネットフリックスの7～9月期の会員の純増数を310万人から510万人に引き上げている。

価格支配力

ネットフリックスはそれほどの解約数をともなわずに値上げが可能とみるのはカウエンだ。前回の米国での値上げは昨年前半に終了しており、価格支配力の向上で来年以降、値上げに動きやすくなるという。

カウエンは14日付のリポートで、ネットフリックスの投資判断を「アウトパフォーム」で継続。目標株価を550ドルから625ドルに引き上げた。

ネットフリックスの4～6月期の売上高は前年同期比25％増の61億4828万ドル、純利益は2.7倍の7億2019万ドルだった。いずれも過去最高の水準。

ネットフリックスが公表した7～9月期の売上高予想は21％増の63億2700万ドル、純利益予想は43％増の9億5400万ドル。

14日の米国株市場でネットフリックスは前日比12.64ドル（2.28％）安の541.45ドルで引けた。

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