アンジェスが下げ縮小、コロナワクチン治験は7月開始見込みとの首相発言を好感
・序盤に20%超下げる
・出来高、連日で全市場2位
11日の株式市場でマザーズ上場の創薬ベンチャー、アンジェス<4563>が続落。前週末の流れを引き継ぎ、序盤に前週末比20%超の大幅安となったが、その後下げ幅を縮小する展開だった。新型コロナウイルス感染を予防するワクチンについて、安倍晋三首相が7月にも臨床試験を開始できる見込みと発言したことが好感された。
終値は前週末比24円(1.58%)安の1499円。プラス圏で始まったが、高水準の信用買い残が引き続き重荷になり早々に下げに転じ、一時21.21%安の1200円まで売られた。しかし、昼過ぎに首相の前述の発言が伝わると、後場で下げ幅を縮めた。一時、プラス圏に戻す場面があった。
共同通信は午後零時37分、この日の衆院予算委員会で首相が新型コロナワクチンについて「東大、大阪大、国立感染症研究所などで開発が進められていて、早ければ7月には治験が開始できる見込みだ」と述べたと報じた。
阪大発企業のアンジェスは、同社と阪大(臨床遺伝子治療学・健康発達医学)が保有するプラスミドDNA製品の開発実績に基づき、ワクチンを開発している。首相の治験に関する発言が阪大を含んでいたことで、一部で買い安心感が広がったもよう。
アンジェスは、現在実施している動物試験の進捗が順調なことなどから、厚生労働省と協議して臨床試験を前倒しする方針を固めたと伝えられていた。当初の9月開始の予定が、1カ月程度早まると予想されていた。
時価総額
11日のアンジェスの出来高は8000万株を突破。8日と同様、東証全市場のランキングでみずほフィナンシャルグループに次ぐ2位につけた。8日の出来高は9100万株を超えていた。
8日の時点のアンジェスの信用取引残高は売り残高が44万7400株、買い残高は1856万3400株。信用倍率は40倍を超える。
取引終了時のアンジェスの時価総額は約1683億円に減少。アンジェスの時価総額は1日にフリーを抜いてマザーズ2位に浮上したが、この日はメルカリ、フリー、Sansanに次ぐ4位。
アンジェスが開発するワクチンを生産するタカラバイオ<4974>は反発。終値は25円(1.01%)高の2494円。
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