ギリアドが一時8.5%安、レムデシビルの新型コロナ治験成功せずとの報道
・時間外で小幅に戻す
・「不適切に意義づけされている」とギリアド
23日の米株市場で米バイオ医薬品メーカーのギリアド・サイエンシズ<GILD>が急落した。新型コロナウイルスの治療薬候補「レムデシビル」が中国での臨床試験で有効性を示さなかったと伝わったことが背景。
ギリアドの終値は前日比3.53ドル(4.34%)安の77.78ドル。一時8.5%安い74.40ドルまで売られた。
その後の時間外取引では水準を小幅に引き上げ、通常取引より0.57ドル(0.73%)高い78.35ドルで終了した。
英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)は23日、世界保健機関(WHO)の依頼により研究者が提出したレムデシビルの中国の治験報告書の草稿を掲載。この治験では患者の状態は改善せず、血流中の病原体は減少しなかったと伝えた。
報告書によると、新型コロナウイルス患者237人を対象に実施された治験は、レムデシビルを投与した158人と残る79人のその後の病状や体内のウイルスの数を比較した。被験者のうち18人は重篤な副作用があらわれ、投与を中止している。治験は参加患者数が十分でなかったことで中止になった。
FTはWHOが誤って公開した査読中の草稿を確認したという。WHOはその後、公開を取り下げている。
米医療関連ニュースSTATも中国でのこの治験について報道。新型コロナ患者の回復時間や死亡率で有意差を示さなかったとしている。STATによると、死亡率はレムデシビルを投与されたグループが13.9%、標準的な治療を受けた患者グループは12.8%で大差がない。
ギリアドは公開された報告書について「不適切に意義づけされている」と反論。また、被験者数が少なく、統計的に重要性のある結果は導き出せないと述べている。
レムデシビル
レムデシビルは、エボラ出血熱の治療薬として開発を進めていた低分子化合物で、ウイルスの複製に関与するRNAポリメラーゼを阻害する作用がある。エボラ熱への有効性は確認されず、これまでに承認した国はない。
レムデシビルが新型コロナに有効との期待から、ギリアド株価は17日に一時85.79ドルまで上昇。約2年ぶりの高値を付けた。
レムデシビルの新型コロナへの有効性を確認する複数の治験が現在、世界中で行われている。ギリアドは日本で横浜市立市民病院など3つの医療機関と連携し、新型コロナ患者にレムデシビルの投与を行う治験を14日から始めている。
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