アンジェスが急落 新株発行とファイザーのワクチン治験を材料視
10日の株式市場でアンジェスが急落。9日に米エメンドバイオを2億5000万ドルで買収すると発表。対価としての新株の発行が重しになっている。さらには米ファイザーが新型コロナワクチンの治験で有効性が90%を超えたとの暫定結果を発表したことも材料視されている。
10日の株式市場で創薬ベンチャーのアンジェス<4592>が急落した。9日に米エメンドバイオを2億5000万ドルで買収すると発表。対価として新株を発行することが相場の重しになっている。さらには米製薬大手ファイザー<PFE>が同日、開発中の新型コロナウイルス向けワクチンの治験で有効性が90%を超えたとの暫定結果を発表したことも材料視されている。
マザーズ上場のアンジェスは午前10時39分現在、前日比60円(5.32%)安の1068円で推移している。一時、9.22%安の1024円まで売られた。
アンジェスはエメンドバイオに対し約5400万ドルをすでに出資しており、同社の発行済み株式の4割余りを保有する。12月15日付でエメンドバイオの発行済みの全株式を取得して完全子会社化する方針で、エメンドバイオの株主に対し、アンジェスが新株を発行することで主な対価を支払うという。
イスラエルの研究機関であるワイツマン科学研究所の技術をもとに2015年に設立されたエメンドバイオは、ゲノムの狙った場所を切断して正常な遺伝子に置き換える編集技術に強みを持つ。この技術は、既存の治療法ではアプローチが不可能だった多くの適応症への対応を可能にするとアンジェスは発表資料で説明した。
武田薬品工業<4502>の関連企業もエメンドバイオに出資しており、買収後もエメンドバイオと武田はがん領域での共同開発を継続するという。
ファイザーのコロナワクチン
ファイザーの発表によると、独ビオンテックと共同開発する新型コロナ向けワクチンの第3相臨床試験で対象となった4万3538人のうち、新型コロナ感染が確認されたのは94例。実際にワクチンを接種した人としなかった人を比較して分析した結果、予防効果は90%を超えるとみられるとした。
ファイザーは11月第3週以降に米食品医薬品局(FDA)にワクチンの承認を申請する方針。承認が得られれば、年内に世界で最大5000万回分(2500万人分に相当)、21年には最大13億回分のワクチンを製造する計画だ。
日本政府は21年6月末までにファイザーから1億2000万回分のワクチンの供給を受けることで基本合意している。
9日の米株式市場でファイザーは前週末比2.80ドル(7.69%)高の39.20ドルで終えている。
アンジェスは新型コロナ向けDNAワクチンを大阪大などと共同で開発。これまでに第1/2相臨床試験で60人を対象にワクチンを投与しており、結果を12月までに公表するとしている。
アンジェス創業者で阪大寄付講座教授の森下竜一氏は10月下旬の講演でワクチン開発について、次の段階の臨床試験は11月ごろから始まる予定だと述べていた。
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