豪ドル堅調、リセッションでも「AAA」格に直ちに脅威及ばずとS&P表明
・景気刺激策導入でも信用力損なわれず
・豪経済、上期にリセッション入りの可能性
11日夕方の外国為替市場でオーストラリアドルが米ドルや円などの主要通貨に対し、朝方よりも幾分高い水準で推移している。オーストラリア経済がリセッション(景気後退)に陥っても、同国に付与している「AAA」の信用格付けが直ちに脅かされることはないと格付け会社S&Pが表明したことで買いが促された。
S&Pは日本時間昼前に発表した声明で、今後見込まれる新型コロナウイルスに起因するテクニカル・リセッションが豪州の「AAA」格を直ちに脅かすことはないとし、また導入が予想される景気刺激策が同国の信用力を損なう可能性は低いと指摘。同国の財政状況は強固であり、現在の格付けにおいて幾分かの融通が利くとみていると表明した。
一方、経済情勢の低迷が現在の見通しよりも長期化すれば、同国の格付けは圧力にさらされる可能性があるの見方を示した。
S&Pは豪経済が今年上期にリセッションに陥ると予想する一方、今年の成長率を1.2%と見込んだ。
豪ドルの対米ドル相場は、未明に0.64米ドル台後半まで下げたが、その後緩やかに水準を切り上げた。S&Pの声明発表後に0.65米ドル台前半まで上昇して頭打ちとなったが、その後も強含みで推移している。
豪ドルの対円相場は夜間に海外で形成した67~69円のレンジの上方にとどまった。アジアでの取引時間中の高値は、S&Pの声明発表後に付けた68.40円付近。
リセッション予想
豪銀行大手のウエストパック銀行は、1~3月期と4~6月期の同国の経済成長率をそれぞれマイナス0.3%と予想。一方、7~9月期の経済成長率を1.4%、10~12月期を0.8%と見込んでいる。
ウエストパック銀行は1~3月期のマイナス成長の要因として、教育や旅行を含むサービス輸出の落ち込みやモノの輸出の減少、サプライチェーンの寸断を挙げた。
新型コロナウイルスの拡散防止を目的に中国が施行した海外団体旅行を禁止や、豪入国制限措置による中国人留学生の減少が響く見通し。中国経済の減速で鉄鉱石などのオーストラリア製品の輸出も不振だ。
一方、4~6月期については主に国内の消費支出減が要因との見方を示している。
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