ウーバーイーツ、インド事業売却でアリババ系ゾマトと協議
・約5億ドルで売却の意向
・テンセント出資スウィギーにも秋波
中国のネット通販大手アリババ集団などが出資するインドのゾマトが、米配車大手ウーバー・テクノロジーズ<UBER>がインドで展開する食事の宅配サービス「ウーバーイーツ」事業の取得に向けて動いている。インドのメディアが伝えた。
タイムズ・オブ・インディア(電子版)が25日に複数の関係筋の話として伝えたところによると、ウーバーは再度、インドのウーバーイーツを売りに出している。約5億ドルで同事業を売却したい意向という。
ウーバーはアリババ集団<BABA><HKG:9988>の金融会社アント・フィナンシャルが出資するインドのゾマトと数週間にわたり協議を行っている一方、中国の騰訊控股(テンセント)などが出資する現地のスウィギーにも最近、フィーラーを送付したという。ただ、後者との協議は現時点で進んでいない。
今年5月の米国での新規株式公開(IPO)以降、株価の低迷に苛まれているウーバーは、ウーバーイーツ事業に関して、投資収益率の低い市場からの撤退と、シェアが首位、あるいは2位の市場への資源の集中を表明している。今年9月に韓国のウーバーイーツ事業の停止を表明した後、インド事業の行方が注目されている。
ウーバーの提出書類によると、同社は2020年にインドの食事の宅配事業で約2億ドルの損失発生を見込んでいる。
トップ2に遠く及ばず
インドの食事の宅配事業のトップ2はゾマトとスウィギーで、1日あたりの注文数はともに200万~250万件とみられている。ウーバーイーツは25万~30件で3位につけるが、2社からは大きく引き離されている。
また同紙によると、トップ2社への注文は平均3~4ドルであるのに対し、ウーバーイーツは約2ドルにとどまる。
ウーバーはIPOの前、インドのウーバーイーツ事業売却で米アマゾン・ドット・コムとも協議を行っていた。また、スウィギーとも今年に入り協議を行い、交渉が一定の段階まで進んだが、最終的に価格面で折り合いがつかなかった。
ゾマトは現在、増資を行っている最中。現行の資金調達ラウンドでの評価額は30億ドル超で、既存株主であるアント・フィナンシャルからの2億ドルのコミットメントをすでに獲得しているという。ウーバーイーツを買収すれば、スウィギーの地盤であるインド南部でのプレゼンスが高まり、新規のストラテジック・インベスターの獲得に一役買う可能性があるとみられる。
25日の米株式市場でウーバーは前日比0.46ドル(1.56%)安の29.11ドルで通常取引を終えた。今月6日に25.58ドルの上場来安値を付け、その後も低迷が続いている。
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