原油価格、イラン産復帰でも上昇続く可能性 ゴールドマンが予想
イラン核開発を巡り米国とイランが合意に達し、イラン産原油が国際石油市場に戻った場合でも、原油価格の上昇は続くとゴールドマン・サックスが予想した。原油市場の需給に関する不透明感が払しょくされるためという。
イラン核開発を巡り米国とイランが合意に達し、イラン産原油が国際石油市場に戻った場合でも、原油価格の上昇は続くとゴールドマン・サックスが予想した。原油市場の需給に関する不透明感が払しょくされるためという。
米国のイラン核合意への復帰に向け、当事国である英仏独中ロとイランは2日にウィーンで次官級の合同委員会を開いた。関係国は近く最終的な合意が得られるとの見方を強めている。
ゴールドマンのストラテジストは米CNBCで、イラン産原油の禁輸が解除された場合、原油市場で供給は増加するが、それでも原油価格は下落するよりもむしろ上昇すると予想した。
石油輸出国機構(OPEC)とロシアなど非加盟の主要産油国でつくる「OPECプラス」が4月1日の会合で、翌月からの減産縮小で合意した後も、価格は下がらず、ボラティリティも低下したことをストラテジストは例示。5月の日量35万バレル供給増加は市場の予想を上回るものだったと指摘した。
この時、価格が下落しなかった理由について、OPECの産油動向を巡り昨年から市場を覆っていた不透明感が払しょくされたためと説明。OPEC加盟国の増産競争による価格の下落を市場関係者は懸念していたが、OPECは理論的な計画を提示し、市場はこれに納得したという。
イラン産原油の市場復帰も同様であるとみているとストラテジストは述べた。
ブレント原油は80ドルへ
ゴールドマンはこれより前、北海ブレント原油が2021年7~9月期に1バレル=80ドルを付ける可能性があると予想している。
ストラテジストは、その後の新型コロナウイルスの新たな流行でアジアの需要を下方修正したが、米国と欧州での予想外の需要増加がこれを相殺していると指摘した。
その上で、ワクチン接種率が十分に上昇すると、人々が一気に動き出し、原油需要が大幅に増加することが明らかになったとし、これこそが強気の見方の根本にあると述べた。
また、原油需要の伸びに供給が追い付かない可能性が高いとし、市場にはイラン産原油を吸収する十分な余地があると語った。
3日のインターコンチネンタル取引所(ICE)で北海ブレント原油先物の期近の8月限は71.31ドルで取引を終えた。
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