アンジェスが続伸、ギリアドの新型コロナ治療薬の治験失敗との報道
・アンジェス、年初来高値を更新
・ギリアドは治験結果に反論
24日の株式市場でマザーズ上場の創薬ベンチャー、アンジェス<4563>が続伸。出来高で東証全体の3位となる大商いだった。米バイオ医薬品メーカーのギリアド・サイエンシズ<GILD>が開発した新型コロナウイルスの治療薬候補「レムデシビル」が中国での臨床試験で有効性を示さなかったと伝わったことなどが材料になった。
アンジェスは、新型コロナウイルスの感染症向けワクチンを大阪大学と共同開発している。
アンジェスは6営業日の続伸。前日比71円(6.88%)高の1103円で取引を終えた。一時、19.67%高の1235円まで買われ、年初来高値を更新した。
出来高は約7620万株でマザーズでトップ。東証全市場を対象としたランキングでも三菱UFJフィナンシャル・グループとみずほフィナンシャルグループに次いで3位となった。
アンジェスの時価総額は24日の取引終了時点で約1240億円。マザーズに上場する医薬品メーカーでは最大で、そーせいグループ(約1090億円)とヘリオス(約910億円)が後に続く。
レムデシビル
英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)は23日、世界保健機関(WHO)の依頼により研究者が提出したレムデシビルの中国の治験報告書の草稿を掲載。この治験では患者の状態は改善せず、血流中の病原体は減少しなかったと伝えた。草稿はWHOが誤って公開したもので、後に取り下げている。
これを受け、23日の米株市場でギリアドは一時、8.5%安となった。
レムデシビルは、エボラ出血熱の治療薬として開発を進めていた低分子化合物で、ウイルスの複製に関与するRNAポリメラーゼを阻害する作用がある。エボラ熱への有効性は確認されず、これまでに承認した国はない。
ワクチン開発
新型コロナウイルス向けワクチンの開発はアンジェス、および阪大(臨床遺伝子治療学・健康発達医学)が保有するプラスミドDNA製品の開発実績に基づいて行われている。アンジェスは阪大発の企業。
アンジェスは、現在実施している動物試験の進捗が順調なことなどから、厚生労働省と協議して臨床試験を前倒しする方針を固めたと伝えられている。当初の9月開始の予定を1カ月程度早めるもようだ。
また一部メディアは今週、ワクチンを製造するタカラバイオ<4974>がワクチンの量産体制を整備すると報じた。今秋に厚労省から製造販売の承認を得た場合、年内だけで20万人分のワクチン供給が可能という。
タカラバイオは35円(1.44%)高の2465円で取引を終えた。
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