新型肺炎株―アンジェスがストップ高、ワクチン開発に着手 タカラバイオも急伸
・タカラバイオがワクチン製造担当
・ぜんそく薬の帝人は反落
5日の株式市場でマザーズ上場のバイオベンチャー企業、アンジェス<4563>がストップ高。この日、新型コロナウイルスへの感染を防ぐワクチンの開発に着手したと発表した。協力するタカラバイオ<4974>も大幅高となった。
アンジェスの終値はストップ高である前日比80円(18.74%)高の507円。
アンジェスは値上がり率で全市場を通じてトップ。出来高は5位。
タカラバイオは189円(9.7%)高の2137円で引けた。一時、13.04%高の2202円まで買われた。
アンジェスが発表したリリースによると、同社と大阪大学が保有するDNAプラスミド製品の開発実績を生かし、新型コロナウイルスのワクチン開発に取り掛かる。
不活化ウイルスをワクチンとする方法(弱毒化ワクチン)や遺伝子組換えウイルスタンパク質をワクチンとする方法に比べて、同社の技術は安全かつより短期間で製造プロセスを確立することが可能。動物で試験などを行い、早ければ半年以内に臨床試験に進みたいという。
構築・製造はプラスミドDNAの製造技術と製造設備を有するタカラバイオが担当する。
武田、新型コロナ治療薬開発へ
Takeda Pharmaceutical Company Limited (ADR)<4502>は反発した。4日、新型コロナウイルスに対する治療薬の開発を始めると発表した。
終値は132円(3.51%)高の3896円。一時、前日比4.25%高の3924円まで上昇した。
武田は2019年1月に買収したアイルランドの製薬大手シャイアーが持っていた血液由来の医薬品技術で新たな治療薬を開発する。新型コロナウイルスへの感染から回復した患者の血液を活用し、免疫機能を高める治療薬を製造するという。
世界の大手製薬で新型コロナに対する治療薬の新規開発を表明したのは武田薬品が初めてとなる。同社は9カ月から1年半程で臨床試験を終える計画だ。
「シクレソニド」の帝人は反落
帝人<3401>は3営業日ぶりに反落。終値は33円(1.76%)安の1842円。
子会社の帝人ファーマが手掛ける気管支ぜんそく治療薬「シクレソニド」(商品名オルベスコ)を新型コロナウイルスに感染して肺炎になった患者に投与したところ、症状の改善がみられたとの報道を受け、前日までの2営業日買われていた。
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