アンジェス、新型コロナ向けワクチンを動物で試験へ 一時ストップ高
・出来高マザーズ首位
・タカラバイオは5.6%高
24日前場の株式市場でマザーズ上場の創薬ベンチャー、アンジェス<4563>が一時ストップ高となった。新型コロナウイルス向けDNAワクチンの開発で、原薬が完成し、動物への投与を行う非臨床試験準備が整ったと取引開始前に発表したことが材料になっている。
前場終値は前日比93円(16.03%)高の673円。一時ストップ高に相当する100円(17.24%)高の680円まで買われた。
商いが膨らみ、出来高は東証全市場で10位。マザーズでトップとなっている。
アンジェスは午前8時半、ワクチンの原薬が完成し、近日中の動物向け試験開始を予定していると明らかにした。同社は今月5日、新型コロナウイルス向けDNAワクチンを大阪大学と共同開発すると発表していた。
アンジェスはマウスやラット、サルなどの動物にワクチンの原薬を投与し、抗体価産生力、有効性および安全性の確認のための非臨床試験を行う。このプロセスを経ることで、初めて人への投与を行う臨床試験が可能になるという。
5日付のリリースによると、不活化ウイルスをワクチンとする方法(弱毒化ワクチン)や遺伝子組換えウイルスタンパク質をワクチンとする方法に比べて、アンジェスの技術は安全かつより短期間で製造プロセスを確立することが可能。同社は動物での試験を経て、早ければ半年以内に臨床試験に進みたい意向。
ワクチン開発はアンジェス、および大阪大学(臨床遺伝子治療学・健康発達医学)が保有するプラスミドDNA製品の開発実績に基づいて行われる。
ワクチンの構築・製造は、プラスミドDNAの製造技術と製造設備を有するタカラバイオ<4974>が担当する。
タカラバイオは106円(5.58%)高の2005円で前場を終えた。
高血圧ワクチン開発
これとは別にアンジェスは16日、オーストラリアで実施中の高血圧DNAワクチン開発のための臨床試験で、予定する患者への投与が完了したと発表。将来的に業績に寄与するとの見方から株価は翌17日にかけて750円まで上昇した。
現在、高血圧の治療では経口医薬品が使用されているが、注射剤であるDNAワクチンは一度の投与で長期にわたって効果が持続することが期待される。
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