豪ドルに売り圧力 さらに下げ得ると中銀副総裁が発言
・香港政府トップのデモ警告で円買い
・豪政策金利下限は0~0.5%と副総裁
27日午後の外国為替市場でオーストラリアドルの対円相場が未明の高値から下げている。香港政府トップのデモに対する警告を受け、市場がリスクオフの状態になったことや、オーストラリア準備銀行(中央銀行、RBA)のデベル副総裁が、豪ドルはさらに下げ得ると発言したことで豪ドル売り・円買いが進んだ。
豪ドルは未明に一時72円を上回る場面があったが、その後は上値重く推移。中国が米国との合意を強く望んでいるとのトランプ米大統領の発言に対し、中国外務省の報道官が電話の詳細を確認できなかったことなどで、実際にそうした会談があったか疑問が浮上した。
午前遅くになると、香港政府の林鄭月娥行政長官が「デモによる暴力行為には我慢の限界」と警告したことが伝わった。市場ではリスク回避目的で円が買われ、豪ドルは71円台半ばまで水準を切り下げた。
この後、中銀のデベル副総裁がキャンベラでの講演で、豪政策金利の下限は0~0.5%付近である可能性が高いと述べると、豪ドルは71円台前半まで下落。
副総裁はさらに、豪ドルは一定程度下落したが、一層下げる可能性もあるとし、さらなる下げは経済にとって支えになるだろうと語った。
中銀は6月と7月の理事会で、2会合連続で利下げを実施。6月に政策金利を1.5%から1.25%に、さらに7月に1.25%から過去最低の1.0%に引き下げた。
大手銀行は現在、政策金利は0.5%まで引き下げられるとの予想を示している。
豪ドルの対米ドル相場は、下げはより緩やか。未明の0.67米ドル台後半からじりじりと売られ、現在0.67米ドル台半ば付近で推移している。
AUD/JPY 60分足チャート (出所: IG証券)
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