豪ドル続伸、一時74円台 非伝統的措置導入必要になる可能性低いと中銀
・中国追加刺激策への期待でリスクオン
・NAB金利見通し発表後に下げる場面も
11日午後の外国為替市場でオーストラリアドルが円や米ドルに対し6週間ぶりの高値を付けた。オーストラリア準備銀行(中央銀行、RBA)が、非伝統的な金融政策は現時点で必要になる可能性は低いとの見方を示したことが材料視された。
豪ドルの対円相場は一時74円の節目を上回り、これまでに74.20円付近まで上昇。8月1日以来の高値を3日連続で更新した。
また、豪ドルの対米ドル相場は0.68米ドル台後半まで買われ、7月31日以来の高値を付けた。
豪中銀は議員からの質問に「(政策金利の)キャッシュレートは1%にあり、必要である場合、伝統的な金融緩和の余地は残されている」と文書で回答。「重視するのはリスクフリー金利の引き下げになるだろう。キャッシュレートの相当低い水準への引き下げや長期国債の買い入れが含まれる可能性がある」と表明した。
NAB金利見通し
これより前、ナショナル・オーストラリア銀行(NAB)が、中銀は来年2月までに少なくとも2回の利下げを実施し、政策金利を0.5%に引き下げるとの見方を示した。NABは従来、1回の利下げを予想していた。
NABはまた、政府が意味のある財政出動を行わなければ、来年半ばまでに金利が0.25%に引き下げられ、これとともに非伝統的な金融政策が導入される可能性が高いとの見解を示した。同行のチーフエコノミストは「われわれは依然としてインフラ投資や減税前倒しなどを通じた追加刺激策を必要としている」と述べた。
NABの金利見通し発表後に豪ドルはいったん対円で73.70円付近まで後退。対米ドルでは0.68米ドル台半ばまで軟化する場面があった。
一方、中国で追加の景気刺激策が導入されるとの期待が市場のリスクオンにつながり、豪ドルを支援した。
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