豪ドル堅調、米中貿易協議進展への期待で
・米ドル・円が3カ月ぶり高値
・豪中銀総裁「必要であれば金融緩和の準備できている」
29日午後の外国為替市場でオーストラリアドルが対円で堅調。トランプ米大統領が28日、米中貿易協議の「第1段階」の合意について大きな内容になると語ったことで、中国の景気動向に敏感な豪ドルに買いが入った。
豪ドルの対円相場は、米ドルの対円相場の上昇も支援となり、朝方からしっかりで推移。米ドルは午前中に頭打ちになったが、豪ドルには午後3時45分に予定されているオーストラリア準備銀行(RBA、中銀)のロウ総裁の講演を前に持ち高調整による買いが入るなか、午後3時過ぎに74.76円付近まで強含んだ。
ロウ総裁が講演で「必要であれば政策委員会は金融緩和の準備ができている」、「長期間における低金利が必要だろう」と発言すると豪ドルは高値圏を離れ、その後74円台半ば付近まで水準を切り下げた。
加えて総裁は「豪ドルの上昇は雇用の成長とインフレの助けにならない」と語り、また「一連の利下げが経済成長の転機につながることに自信を持っている」と述べている。
豪ドルの対米ドル相場も上昇。午後に一時0.68米ドル台後半まで買われた。
米利下げ観測
英国の欧州連合(EU)離脱問題への懸念後退や米中貿易協議の進展見通しを背景に安全資産である円が売られるなか、米ドルの対円相場は9時50分前後に一時109.07円付近の約3カ月ぶりの高値を付けた。
しかし、午後遅くになると米利下げ観測の高まりからこの日の高値圏を離れた。
シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)が金利先物から算出する市場の利下げ予想確率であるFEDウォッチによると、10月29、30両日開催の連邦公開市場委員会(FOMC)での0.25%の利下げ確率は95.1%と織り込まれている。
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