豪ドルが高値基調 鉄鋼石や銅の上昇が追い風
豪ドルが鉄鉱石や銅などの資源価格の上昇を追い風に高値基調を維持している。
オーストラリアドルが鉄鉱石や銅などの資源価格の上昇を追い風に高値基調を維持している。豪ドルの対米ドル相場は19日に約1年半ぶりの高値を更新し、その後も高値圏で推移している。
豪ドルは19日の欧州市場で0.7275米ドルまで上昇。2019年1月以来の高値を付けた。20日に0.71米ドル台前半まで下げたが、21日のアジア市場で0.72米ドルの節目付近まで戻している。
21日も上昇して終われば、9週連続の上昇となる。
豪ドルは対円でも買われやすい地合いが続き、21日は76円の節目付近でしっかりと展開した。
オーストラリア準備銀行(RBA、中央銀行)は18日に公表した8月の理事会議事要旨で、国内の大半で景気回復が進んでいるとし、現時点で追加緩和措置を実施する必要はないとの認識を示した。
豪ドルは資源国通貨としての顔を持ち、資源価格の上昇時に広く買われる。資源の輸出で稼ぐ豪州経済にとって追い風になるとの見方が背景にある。
鉄鉱石、2014年以来の高値
鉄鉱石のスポット価格が今週、1トン=130ドル前後まで上昇し、2014年以来の高値を付けた。中国が景気刺激策の一環としてインフラ向けに鉄鋼を増産しており、同国の鉄鉱石の需要が拡大しているため。
鉄鉱石価格はコロナウイルスの感染が広がった3月に80ドルまで下落していた。
中国税関総署によると、同国の7月の鉄鉱石輸入量は過去最高水準の1億1265万トンとなった。6月から10.8%、19年7月から24%増加した。
一方、鉄鉱石の主産地の1つであるブラジルではコロナのまん延で出荷に影響が及んでいる。
銅価格もまた、中国の刺激策により押し上げられている。ロンドン金属取引所(LME)で銅3カ月物は19日に一時、18年6月以来の高値となる1トン=6707ドルを付けた。
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