豪経済は今年上期に景気後退、下期回復へ ウエストパック調査
・中国経済の不振響く
・豪失業率は5.8%で頭打ちへ
オーストラリアの銀行大手ウエストパック銀行は、同国経済が今年上期にリセッション(景気後退)に陥ると予想。一方、下期は持ち直すとの見方を示した。
同行の主席エコノミスト、ビル・エバンズ氏は1~3月期と4~6月期の同国経済成長率をそれぞれマイナス0.3%と予想した。経済成長が2四半期連続でマイナスに陥った場合、リセッションとみなされる。
1~3月期のマイナス成長の要因として、教育や旅行を含むサービス輸出の落ち込みやモノの輸出の減少、サプライチェーンの寸断を挙げた。
新型コロナウイルスの拡散防止を目的に中国が施行した海外団体旅行を禁止や、豪入国制限措置による中国人留学生の減少が響く見通し。中国経済の減速で鉄鉱石などのオーストラリア製品の輸出も不振だ。
一方、4~6月期については消費支出減が主因で、とりわけホテルやレストラン、レクリエーション、航空といった分野で消費が鈍化することが見込まれるとした。ただ、同期間の食品支出は増加が予想されるという。
その後、経済は好転が見込まれる。同氏は7~9月期の経済成長率を1.4%、10~12月期を0.8%と予想した。
ただし、これは7~9月期までに新型コロナウイルスの感染拡大による直接的な影響が減り、感染抑制のための諸政策が大幅に緩和されるとの前提に基づくという。
下期に成長を実現することで、失業率は同期中に5.8%で頭打ちになり、6%を超えることはないと同氏は予想した。
豪ドル
日本時間10日夕方の豪ドルの対円相場は68円台半ばで取引されている。米ドルの対円相場の上昇を背景に午後に68円台後半まで上値を追った。
豪ドルの対米ドル相場は0.65米ドル台後半で推移。昼以降、0.6550米ドルが支持線となっている。
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