テラに東証が改善報告書を徴求 特別損益計上など適時開示せず
東証は1日、創薬ベンチャーのテラに特別損益の計上などを適時に開示していなかったとして、改善報告書の徴求および公表措置を実施すると発表した。
東京証券取引所は1日、創薬ベンチャーのテラ<2191>に特別損益の計上などを適時に開示していなかったとして、改善報告書の徴求および公表措置を実施すると発表した。
東証は理由として、テラが9月3日に特別利益および特別損失の計上等について開示し、同月4日に固定資産の譲渡について開示したことを指摘した。これらの開示、および日本取引所自主規制法人によるテラへの照会等により、同社が適時開示基準に該当する見込みのある解決金(4600万円)の支払いに関連する事項を4月24日に決議したうえで同月28日に支払いを行っていたことが判明。また、同様に適時開示基準に該当する特別利益(7400万円)を計上する見込みのある固定資産譲渡を6月8日に決議していたにも関わらず、これら特別損益の発生等に関する開示を9月3日および4日まで行わず、上場規則に違反して開示を適時に行っていなかったことも判明した。
上述の一件はテラの適時開示を適切に行うための体制の不備等に起因して、投資者の投資判断に一定の影響を与える情報が数カ月にわたって開示遅延されていたもので、同社の適時開示体制について改善の必要性が高いと認められるため、報告書の提出を求めることにした。提出期限は12月15日。
1日の株式市場でジャスダック上場のテラは前日比4円(0.65%)安の616円で終えている。
テラのプレスリリースによると、同社は子会社を通じてメキシコ・イダルゴ州で新型コロナウイルス感染症の治療薬の開発に携わっている。
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