ワクチン治験承認のアンジェスが年初来高値、増し担保措置解除も材料に
・東証が26日売買分から
・大阪市大病院と治験の契約締結
26日前場の株式市場でマザーズ上場の創薬ベンチャー、アンジェス<4563>が高い。一時、年初来高値を更新した。大阪市立大学医学部附属病院との新型コロナウイルス感染症向けワクチンの治験契約締結の発表や、信用取引での増し担保措置の解除が材料視されているもよう。
午前9時36分現在、前日比205円(9.15%)高の2445円で推移している。一時11.25%高の2492円まで買われた。
東証は25日の取引終了後、信用取引による新規の売付けおよび買付けに係る委託保証金率を50%以上(うち現金20%以上)としていたアンジェスに対しての信用取引の臨時措置を26日売買分から解除すると発表した。
日証金も増担保金徴収措置を解除する。
また、25日の取引終了後、大阪大学との共同開発によるコロナワクチンについて、治験施設の大阪市大病院における治験審査委員会で審議・承認され、治験施設との契約を締結したとアンジェスが発表したことも買い材料になっている。
今後、治験薬の搬入などの手続きを行い、被験者募集会社等を通じて被験希望者の募集を開始する。被験希望者の同意、登録をもって、臨床試験を進めることになるという。
これに先立ち、大阪府の吉村洋文知事は17日の記者会見で、アンジェスのコロナワクチンについて、30日から大阪市大病院の医療従事者20~30人を対象に治験を実施し、10月に400~500人規模の臨床試験を実施すると述べた。2021年春から秋の実用化を目指すという。
ワクチン開発は、アンジェスと阪大(臨床遺伝子治療学・健康発達医学)が保有するプラスミドDNA製品の開発実績に基づいて行われている。
アンジェスによると、DNAワクチンは弱毒化ワクチンとは異なり、病原体を使用しない。アンジェスは阪大発のバイオ企業。
株価の推移
3月5日にコロナワクチン開発への着手を発表したことをきっかけに、アンジェスに個人投資家の物色の矛先が向かった。株価は4月後半から上げ足を速め、5月7日まで11営業日連続で続伸。5月8日に2455円まで買われて年初来高値(当時)を付けた。
しかし、過熱感が高まるなか、株価はその後の2営業日で50%超下落。5月11日に1200円まで下げていた。
それから1カ月半後に再び年初来高値を更新する場面を迎えた。
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