カイオムが一時ストップ高、コロナ共同研究に出資先が関与と伝わる
・株価、年初来高値を更新
・イーベックがシスメックスなどと連携へ
11日の株式市場でマザーズ上場の創薬ベンチャー、カイオム・バイオサイエンス<4583>が一時ストップ高となった。同社の出資先が新型コロナウイルスに関する研究を始めたと伝わり、材料視された。
午後2時42分現在、前日比38円(9.41%)高の442円。一時、80円ストップ高の484円まで上昇し、年初来高値を更新した。
出来高は現時点でマザーズで4位となっている。
日本経済新聞(電子版)は10日、医療スタートアップのイーベックが神戸市立医療センター中央市民病院、および血液検査機器大手シスメックス<6869>と新型コロナウイルスに関する共同研究を始めたと報じた。
医療に関連する企業や団体が集積する神戸医療産業都市に進出している3者に対し、神戸市が新型コロナの新たな治療薬候補や検査サービスの創出で連携を促すという。
イーベックは2003年1月設立の北海道大学発バイオベンチャーで、カイオムは15年に同社に出資した。
イーベックは4月にすでに新型コロナに感染・治癒した患者の血液中に含まれる抗体を基に完全ヒト型モノクローナル抗体を作製する研究を開始したと明らかにしている。カイオムはこの際にも買われた。
イーベックはコロナ用の検査キットも開発している。同社は19年に神戸医療産業都市に拠点を設けた。
シスメックスは中央市民病院が提供する患者の検体や臨床情報などをデータ解析する。
一方、カイオムの別の出資先で医薬品の開発を行うTrans Chromosomicsも2月に独自の抗体作製技術、および完全ヒト抗体産生動物を活用した新型コロナの治療用のヒト型モノクローナル抗体の作製への着手を発表している。
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