アンジェスが続伸 高血圧DNAワクチン関連特許などが材料
・出来高膨らむ、マザーズ2位
・10日発行公報に特許の記載
10日の株式市場でマザーズ上場の創薬ベンチャー、アンジェス<4563>が続伸。開発中の高血圧DNAワクチンに関連する特許などを手掛かりに個人投資家の短期資金が向かったとみられ、一時、前日比約7%高となった。
アンジェスの終値は前日比135円(6.32%)高の2270円。
前場ではマイナス圏で取引される場面があった。前場の終盤から上げ足を速め、引け際に7.03%高の2285円まで買われた。
出来高は2500万株を突破。マザーズで2位となった。
アンジェスが2015年に出願した「アンジオテンシンⅡ」を巡る特許(発明の名称:DNA−ペプチド併用ワクチン)が、特許庁が10日発行した特許公報に記載された。
アンジオテンシンⅡは血圧上昇作用を持つ体内物質。
大阪大学発のアンジェスは現在、高血圧DNAワクチンを阪大などと共同開発している。このワクチンの投与によりアンジオテンシンⅡに対する抗体を体内で作り出し、アンジオテンシンⅡの働きを抑えることで高血圧を治療する。
アンジェスは現在、オーストラリアで高血圧DNAワクチン開発のための第1および2a相臨床試験を実施しており、24例の患者への投与の完了を今年3月に発表している。
臨床試験の最初の半年間は二重盲検下で安全性と有効性を評価し、その後半年間、非盲検下で長期安全性および有効性を評価する。この試験の結果の公表は20年10~12月期頃を予定しているという。
アンジェスによると、高血圧DNAワクチンは注射剤で、一度の投与で長期間効果が持続することが期待されている。
アンジェスは高血圧ワクチンのほか、新型コロナウイルス向けDNAワクチンの開発にも取り組んでいる。
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