富士フイルム、下げ幅縮小 アビガン有効性示せずとの報道で急落後
・富士フイルム、一時4.9%安
・原薬手掛けるカネカも下げる
20日の東京株式市場で富士フイルムホールディングス<4901>が急落して始まった後、下値を切り上げている。新型コロナウイルス感染症の治療薬候補「アビガン」の有効性について、臨床研究で明確な有効性が示されていないことが分かったとの報道が売り材料になった。しかし、売り一巡後は株式相場全体の動きに歩調を合わせて下げ幅を縮小する展開となっている。
富士フイルムは午後2時45分現在、前日比131円(2.59%)安の4935円で推移している。
朝方に4.9%安の4818円まで売られたが、後場に1.64%安の4983円まで水準を切り上げた。
共同通信は19日深夜、アビガンについて、国の承認審査にデータを活用できると期待された臨床研究で明確な有効性が示されていないことが分かったと伝えた。
多施設共同で実施されている臨床研究は、無症状と軽症の感染者を対象にアビガンの投与時期を変えて比較する内容で、このデータが国の承認審査で活用できると期待されていた。しかし、今月中旬に厚生労働省に報告された中間解析結果で、ウイルスの減少率に明確な差が出なかったという。
安倍晋三首相は、5月中の新型コロナ向け治療薬としての承認を目指すと述べていた。
アビガンはインフルエンザの治療薬。富士フイルムのグループ傘下にある富山化学工業(現富士フイルム富山化学)が開発した。
前述の臨床研究とは別に、富士フイルム富山化学は3月末、アビガンで新型コロナウイルスを治療する治験を開始したと明らかにした。
デンカ
アビガンの原料となる有機化合物「マロン酸ジエチル」を生産する化学メーカーのデンカ<4061>も安い。午後2時45分現在、99円(3.64%)安の2618円で取引されている。
アビガンの原薬を生産する化学メーカーのカネカ<4118>は74円(2.64%)安の2725円。
一方、日経平均株価は続伸。世界的に経済活動が再開するとの期待でリスク指向が高まっている。
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